<介護は官僚のサジ加減>「制度が変わったので特別養護老人ホームには入れません」と言えるのか。


山口道宏[ジャーナリスト]

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「お上が国民の生殺与奪なんてとんでもない。呪ってやる」と語るのは、都内に住む85歳のひとり暮らし男性だ。

先頃開かれた社会保障審議会の介護保険費分科会では、総額で介護報酬を2.27%引き下げ、特別養護老人ホーム(特養)で6%、小規模デイサービスは最大9.8%減と発表した。一方で訪問介護と看とりは加算というから、いつだって我が国の介護は報酬を決定する官僚のサジ加減である(2015-2017年度)。

さらに、この4月からは特養には「要介護3以上」でないと入居できないシステムになる。現在でも全国待機者数52万人と言われているのだ。その家族に対して、

「制度が変わったから駄目です。はいれません」

と、誰がどう説明するというのだろうか。

保険料を値上げし、給料や年金から天引きをしておきながら、いざ使おうとすれば、「使えません」「はいれません」である。

前出の男性は、次のように述べ、怒りをあらわにする。

「国の腹を探ったら、軽度ならば家でやれ。重度になったら施設に入れるかも。そのまま死を看取ったなら銭をくれてやる・・・ということなのではないか!」

怒りは収まらない。

 

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山口道宏

山口道宏(やまぐち・みちひろ) ジャーナリスト、星槎大学教授、NPO法人シニアテック研究所理事長