たけしさん、それはカッコ悪いんじゃないですか?

エンタメ・芸能

高橋秀樹[放送作家/発達障害研究者]

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3月29日(日)の『TVタックル』(テレビ朝日)は「ニッポンの経済大打撃!当事者たちが実情を訴える!新型コロナ危機どう乗り切るSP」であった。内容はスルーしよう。「あっ」と驚いたのは、エンディングでのたけしさんのしゃべりだった。

最後のCM前に、「この後たけしがコロナ危機対策を大胆提言」という煽りナレーションが入る。CMが開けてエンディング。と、たけしさんが阿川佐和子の手元がから、一冊の新書を取り出す。たけしさんの新刊である。

この前のコーナーでは築地の女将が買い物客が激減し、経営がぎりぎりであると窮状を訴えていた。

たけし「ちょうど、いい本があるんだけど。『大親分』という本が発売される。利口はやらない、バカじゃ出来ない一途な人たち。っていうんだけど、これは何がおもしろいかというと、理系ヤクザ、理系親分。なぜウチの組が17人かということが解説してある」

阿川「素数ってことですか」

ここから後は、音楽がかぶってきわめて聞き取りずらい。」

たけし「これを築地で売ればいい」

落ちが、聞こえないのだ。

須田(コメンテーター)「お言葉ですけど一般の人にはあまり役に立たない」

誰も、この個人的な宣伝を、「きょうはやるべきではない」と、止める人は居なかったのだろうか。たけしさんはこういう宣伝はやらないというイメージの芸人だったのに。僕は思う。

[参考]<強烈な場違い感>安住アナがビートたけし再婚に「水くさい」

「たけしさん、それはちょっと」いや、ちょっとは取って言おう。「たけしさん、それはカッコ悪いんじゃないですか?」

4月4日(土)のたけしさんと桑子真帆アナの『たけしのその時カメラは回っていた』どこかで何度も聞いたことのあるタイトルだが、月に一度のレギュラー番組だそうである。同時間帯の『ブラタモリ』が休止するのはファンとして残念だがこの時期、ロケ番組は収録しずらいだろう。

内容は今年オリンピックが開催されること予定してつくられていただろうと思われるオリンピック礼賛のちょうちん番組。

(以下、NHKホームページより引用)「驚きの東京1964年」第1弾はオリンピックが開催された1964年の東京。首都高速建設のために行われた驚きの実験とは?東洋一のホテルを実現させた新発明の設備とは?ゴミだらけの街を美しくした海外からの道具とは?巨匠・丹下健三が難工事の競技場建設に挑んだ理由とは?ゲストはYOU&カズレーザー。(ここまで引用)

たけしさんが出ている以上、経験者としての1964年東京オリンピックの功罪について、とくに罪について、するどい意見を聞きたいと思う。

「当時から、(日本橋を高速道路でふさぐことに)文句言ってた江戸っ子が居るんだね」といった片言はあったものの、全体としては低調。

最後の桑子アナの番組まとめの誘導尋問に対するたけしさんの答えにはがっかりした。

桑子アナ「あのオリンピックがあったから、今の日本があったといってもおかしくないですね」

たけし「うーん、オリンピックがあるから、今の日本があるって言われると、どうしていいか、わからない」

ここまでが精一杯だったんですかたけしさん。オフでカズレーザーの「ある、で良いんですよ」という声だけが空しく響く。

4月18日(土)『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS)たけしさんが、毒は毒を制す例として「ホメオパシー」という言葉を口にした。

ホメオパシ−は、フェイク医療、ニセ医療である。ホメオパシーでは薬として治療に使われる物体をレメディーと呼ぶ。レメディーは病気の原因と考えられる物質を100倍に希釈して、それをさらに希釈する行為を30回ほど繰り返す。その100の30乗まで薄めた、ほとんど水になったレメディーを飲んで治す方法。「水には記憶があるから」だそうだ。

僕はこれを全く嘘だと考えますが、やっぱりというか案の定というか心配なことが起こった。

「コロナ対策のレメディが、急きょ発売されました!ホメオパシーはパンデミックに強い!」

というHPが出現。レメディの元にするコロナウィルスをどこかで手に入れたかと思うと恐ろしい。たけしさんは、ホメオパシーの評価自体は口にしなかったが、僕は、たけしさんがホメオパシー信者ではないことを祈るのみ。

 

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