<小池都政の真髄は「石原都政の尻ぬぐい」>都民ファースト・小池都知事が沖縄県知事選で応援演説

政治経済

山口道宏[ジャーナリスト/星槎大学教授/日本ペンクラブ会員]

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「都民ファースト」の小池知事が沖縄県知事選の応援演説という。そもそも自民党員のDNAの人だから驚かないが「反・翁長」「辺野古移転推進」の立候補者の応援に出かけていた。

この人は「沖縄返還」(1972年)の裏面史で首都圏にある米軍基地の一部をシラっと沖縄県に押し付けた過去など知っているのか! と思う。見方によれば基地問題ではまた、沖縄差別に「本土」が上塗りする格好だ。

その都政の「いま」が、揺れている。つい先頃、石原都政時代の沖縄県の「尖閣列島購入」?で集めた寄付金14億円(2013年)の「使い道」が話題になるや、今度は同じく石原時代に変更した「首都大学東京」から「東京都立大学」へ名称の先祖帰り(2020年)で10億円かかるとか。

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そうでなくても、いまだ土壌不安が残るなかで「築地から豊洲の移転」では、この間に「土壌汚染対策費」や「基盤整備費」など一体いくらの血税を投入したのか?! 善良な納税者にとって甚だ迷惑な行政ぶりが続いている。

振り返れば、石原都政は「新銀行東京」(きらぼし銀行)で1400億円の税金を投入し、「豊洲」では土地代購入で578億円の住民訴訟も起きていた。

「知事ファースト」は罪深い。首長の責任追及に時効はない。「小池ファースト」で沖縄入りなど「都民の代表」の仕事ではない。現地では「なぜ都知事が来るんだ。足を引っ張るだけ」(陣営)と冷ややかだ。

現都知事・小池の政治手法は最初から「石原都政の尻ぬぐいで」と噂された。今回の応援演説も「尖閣」のつづきか、ぼちぼち自民党への所属の復帰狙いか、と。

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