都知事選「掲示板ジャック騒動」に便乗するアンチ活動家たち
メディアゴン編集部
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都知事選の「掲示板ジャック騒動」で賛否両論出ている中で、異常な動きが一部で見られる。それは「掲示板ジャックの発案者」である立花孝志への私怨としか思えない、いわゆる「アンチ立花、アンチN国」と思われる人たちの、「掲示板ジャックは違法なので、署名集めて訴えよう。迷惑行為なので刑事告発しよう。税金の無駄遣いをやめさせよう」といったような類の運動だ。
道義的な問題はさておき、現状の掲示板ジャック(と称される利用方法)に違法性はないと言われる。にもかかわらず、ここぞとばかりに執拗に警察に相談したり、違法行為と断罪されているかのごとくSNSで吹聴して回る人たちを見ると、掲示板騒動という話題を利用した悪質な「便乗政治活動」ではないかと不愉快になる。
立花氏による法/ルールの盲点をついた掲示板ジャックの道義的是非はさておき、今回の問題が、これまで都知事選挙に関心のなかった多くの都民を刺激したことは間違いない。過去に今回以上に話題となった都知事選があっただろうか。心理的にはマイナス面も多いが、政治的には、それ以上にプラス面もあるのではないか。
立花氏は「物理的な掲示板」に対して異議・改善を唱えている立場であることを、これまでも繰り返し主張している。電子ディスプレイを1回設置すれば、選挙のたびに掲示板を設置するような費用も手間もかからない。そもそも、都内1万4000箇所との言われる選挙掲示板に組まなくポスターを貼れるような人的・資金的な余裕がある候補者など限られている。現在の掲示板は公平な選挙システムになっていないのだ。
[参考]都知事選のカギは投票率
島嶼部などでは、組織力・資金力のある小池百合子氏のポスターだけが貼られた掲示板が立っている地域すらあるとも言われる。完全に権力者に有利な選挙形式だ。ディスプレイ方式であれば、データを出せば何ヶ所あろうが、瞬時に掲示できる。不備があっても修正は簡単だ。
その意味では、掲示板ジャック運動に対して、必ずしも悪いことばかりではない、と思っている有権者は少なくないだろう。
様々な議論が残るトピックであるため、もちろん簡単に是非は下せないが、少なくとも違法でもルール違反でもない以上、今回の問題に便乗にして、「警察に通報!税金無駄遣い!迷惑行為!」などと声高に主張してばかりいる「アンチ立花活動」を頑張る一部の人たちの方が悪質であるように思えてならない。そのエネルギーを使って、もっと議論すべきことがあるだろう。
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