<整理番号ぐらいでグダグダ言わない!>シーナ&ザ・ロケッツの35周年ライブに見たロックの神髄

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メディアゴン編集部
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日本を代表するロックバンド「シーナ&ザ・ロケッツ」の結成35周年コンサートが9月13日、東京・日比谷野外音楽堂で開催された。日比谷野音でのワンマンライヴは21年ぶりだという。
1978年に結成されて以来、途絶えることなく活動を続け、35枚を超えるアルバムをリリース。もちろん、音源リリースだけではない。まだまだ現役として「ロック」なステージに立ち続けている。
リーダーでギターの鮎川誠が66歳、その妻で、紅一点のボーカル、シーナは60歳。
一般企業であれば、もう定年を迎える時期だ。音楽をやっている人であれば、特に「そろそろ落ち着いた活動」になってしまう時期だろう。農業を始めたり、突如、社会活動に邁進したり、ミュージシャンであることすら忘れられて「ひな壇芸人」化するミュージシャンも少なくない。「なんであの人が?!」という場合も多い。ああいった活動への転換は、音楽活動が頭打ちになったことの裏返しなのかもしれない。特に、ロック音楽のような分野でれば、かつての過激さが「懐かしさ」になってしまうミュージシャンは少なくないはずだ。
しかし、「シーナ&ザ・ロケッツ」に、そんな様子は片鱗にも見えない。
デビューした時のままの状態で、35年を突き進んでいることは、ステージを見れば一目瞭然だ。シーナのステージングなどは、むしろ年々「ロックさ」が増しているとさえ感じる。もちろん、35周年の日比谷野音でのパフォーマンスに、「定年感」や「落ち着いた感」は皆無だ。まだ、デビューしたばかりの「はっちゃけた若手バンド」のごとき「ロック」な勢いで、スタートからラストまで展開する。
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音だけがロックなのではない。シナロケのパフォーマンスは全てがロックなのだ。
前売りチケッチは、整理番号AやらBやら…があったのだが、会場に行けば、もはや無関係の先着順の入場が列を成している。他のバンドやグループであればクレームや苦情などで揉めてる人もいそうなものだが、スムーズに開場し、スムーズにスタート。整理番号のことで、不満を言っているような人もいない。
それを見て、さすがに「これこそロックだ!」と痛感した。
そもそも、ロックミュージックというものは、そんな小さいことに気にしてはいけないのだ。(よく考えれば、鮎川誠のギターが鳴った瞬間に、野音の客全員が立ち上がるので、多少の場所の前後左右など、ほぼ無意味なのだが)
35年にも渡り、「現在進行形のロック」であり続けるシナロケの凄さには尊敬するが、それ以上に、それを支える「ロックなファン」たちにも感動した日比谷野音だった。
 
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