<モチモチは当たり前>大量のグルテンを混入してパンを作る調理家電

社会・メディア

清水綾一[メディアゴン編集部]

 
最近、「自宅で簡単調理」をうたった家電を取り上げている番組をよく目にする。
今年に入って、家電メーカーが続々と発売しているのだ。自宅で簡単にパスタからラーメンなどの麺を作れる家電や、茶葉を擂って点てるまで行ってくれる家電など。昨年ヒットした家電は、油を使わず揚げ物調理が出来る家電ではないだろうか。
それよりも前にヒットしたのが、自家製パンが調理できる家電。その特長としては、米粉でも調理できるということ。当時はテレビでもよくデモンストレーションを行っていた。
しかし、米粉から調理したパンを、両手で2つに割った後に発する言葉に、私は少し引っかかった。「みてこれ!モッチモチ!」そりゃモチモチだろう。あんなにグルテン入れてれば。
米粉にはグルテンが含まれない。だからグルテンは別に添加するのだ。相当な分量のグルテンをいれているのだろう。そりゃモチモチにもなる。一般的に小麦粉の種類はグルテンの含量によって分けられる。薄力粉<中力粉<強力粉の順にグルテン含量が多いのだ。
ちなみに、パンに用いられるのは強力粉。強力粉のグルテン含量はおよそ12%。それに対し、米粉パンに必要なグルテンは米粉に対して18~20%といったところだ。今では、既に米粉にグルテンなどをミックスさせたキットが売られている。
うるち米ともち米の粘り気の違いは、グルテンでは無くでんぷんの構造である。うるち米に含まれるでんぷんは2割が直鎖状のでんぷん(アミロース)であるのに対し、もち米は100%分岐状でんぷん(アミロペクチン)である。そのため、構造上絡み合うので、もち米はうるち米以上に粘り気をもつのである。
「米でパン作らんでも」と思わないこともない。
 
 
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