<元・食品検査の専門家が語る>メディア報道しないポップコーンに秘められた脅威 カビが産出する発がん性物質
清水綾一[メディアゴン編集部]
「ポップコーンといえば映画館」ではなく、もはや「ポップコーンといえば原宿」になりつつある。パンケーキ(ホットケーキ)の次はポップコーン。お店の前には、長い行列が出来るほど。表参道で行列をなしているポップコーン屋さんの前を通るたびに、「そこまでしてポップコーンを食べたいの?」といささか疑問にはなるところ。
さて、そんな「話題」のポップコーン。その名の通り爆裂種のとうもろこしからできている。そして、日本のとうもろこしの自給率はほとんど無い。多くはアメリカからの輸入に頼っている。
さて、とうもろこしには「あるカビ」が付くと、強力な毒を産生するという特徴を持っている。その毒性というのは、発がん性のある「アフラトキシン」である。そのうえ、この毒は非常に強い耐熱性を持つため、調理程度の加熱じゃ分解されない。「調理済みだから大丈夫!」と・・・はゆかないようだ。
わが国においても、このアフラトキシンには基準を設けている。しかし、100%近いとうもろこし(爆裂種を含む)を輸入しているため、基準を逸脱する事例もある。(「厚生労働省HP違反事例」より)
アフラトキシンを検査するにあたって、検体の採取方法も定められているが、この検査のための採取方法に、やや首をかしげる点がある。先にも書いたが、アフラトキシンはカビから産生する。ということは、カビが主体となるわけだから、それが発生している部分は「偏在」している。
にも関わらず。爆裂種が袋詰めで輸入する際、3,201袋以上の場合は、その内210袋から15㎏しか採取せず、それで検査をする。1袋20㎏だったとして、3,201袋の場合だと計64,020㎏。そこからたった15㎏なので、およそ0.02%しか採取しないことになるのだ。偏在している可能性があるにも関わらず。
もちろん、その採取方法で、検索がまともに網羅できているのか疑問なのである。とはいえ、数年前はもっと採取量が少なかった。これでも一応、強化はされたのである。
とうもろこし=ポップコーンを話題にするメディアは、こういった「見えない危険性」についてあわせて報道してほしいものです。
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