<認知症対策>国策として「家族まかせ」から「社会でしっかり」へが急務


山口道宏[ジャーナリスト]

 

昨今の認知症に関する事件事故では「JR名古屋認知症事故」と「認知症行方不明1万人」の2つがある。

前者は、妻と嫁がみる介護家庭で、認知症の91歳夫が、妻がまどろんだそのときに外出、鉄道を止めた。夫は即死。そこで「損害賠償」を求めJR東海が遺族に対し賠償支払いを求め裁判に。一審、二審とも賠償額は違うが、いずれも被告になった家族が「管理責任あり」と、それを理由に賠償支払いを求めた。只今、係争中、最高裁へ。

一方、後者の「行方不明」は毎日新聞がしばしば社会面で報じて以来、各紙、テレビも後に続いた。我が国認知症患者は現在400万人を超え、予備軍を入れると800万人という。

その数字だけみれば行方不明者があってもおかしくない。身寄りがあれば、見つかることも期待されるが、もはや我が国の少子高齢化と単身化は著しいから、いなくなっても分からないこともあるだろう。

認知症対策は、いまや国策として「家族まかせ」から「社会でしっかり」への対策が急がれる。ここではJR東海の「社会貢献度」がみられるとともに、人類念願の「長寿は慶賀である」が哭いていた。

 

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山口道宏

山口道宏(やまぐち・みちひろ) ジャーナリスト、星槎大学教授、NPO法人シニアテック研究所理事長