<ギャンブルで絶対に負けない必勝法>ギャンブルとテレビ番組作りは「負けない方法」が似ている?


高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事]

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「ギャンブルに必勝法はない」などと言う人がいる。しかし、ある。

この必勝法は巷にあふれる情報商材に記されているようなインチキなものではない。知らないだけなのである。だから、金を取って教えるようなものではない。公開するべき共同資産だ。

この「ギャンブル必勝法」と「テレビ番組作り」にはアナロジー(類比)がある、とある日、考えついた。

思いついた場所は、若い頃、番組の会議をサボって通いつめた競艇場である。サボった罪悪感から、観覧席に座って番組のアイディアも考えた。同時に舟券の検討もした。そのときに、2つが結びついたのである。

「ギャンブル必勝法」は、次の4つ。株式相場でも使われる用語だが、元は鉄火場から発祥した言葉だろう。つまり、株はギャンブルそのものであることの証左である。

  •  【倍々】
  • 【見(ケン)】
  • 【損切り】
  • 【胴元】

ひとつずつ解説する。

 【倍々】

負けたら、その額の倍、また負けたら、さらにその倍と、次々と倍額をかけ続けるという方法である。そして勝った時点で止める。

種目は丁半や大小や黒白など、2択で胴元と勝負するもの。この種目は日本では違法だから、海外でやるしかない。これをやれば決して負けることはないが、必要なのはいつまでも倍額をかけ続けられる無尽蔵の資金である。

100円から始めるとして、負けたら倍の200円、さらに倍の400円と賭けてゆく。ずっと負け続け10回目に勝ったとすると、その時の賭け金は51200円、倍戻しで、配当は102400円。10回の賭け金総額は102300円だから、100円の勝ちである。

この【倍々】の肝要は「赤なら赤」「丁なら丁」と「ブレずに」かけ続ける鉄の意志。それから、勝った時点でそれ以上「欲をかかずに止める」鋼鉄の自制心である。

30代の頃、旅先の蒲郡競艇場でのこと。12レースで全敗。精も根も尽き果てて電車で帰る気がなくなり、なけなしの金で白タクに相乗りしてホテルに戻った。同乗したのは蒲郡の商家の旦那である。

旦那は筆者にこう声を掛けた。「兄さん、明日も来るかい」。筆者は力なく頷く。すると旦那は笑って、「そうだよなあ、止められるような奴は人間じゃあない」と言った。

【見(ケン)】

字義通り、見ていることだが、ただ見ているわけではない。賭場に行って賭けたい気持ちをじっと我慢しながら勝負を見ているのである。たとえば3日間賭けずにただ賭場に通う。レースを見る。じっと見ていると気配がやってくる。

あるとき、ここが賭け時だ、と言うタイミングがやってくる。その時、おもむろに有り金全部を賭けるのである。【見】を勉強しようと、友人と約束して、浜名湖競艇場に行った。前半6レースは少なくても【見】しようと約束したのであるが、3レース目に窓口に歩いて行ったら、トイレに行ったはずの友人と遭遇してしまった。

【損切り】

損をしてもいいから、ある程度で損を確定させて、新たに出直そうと言うことだ。ギャンブルの場合は「これまで通算100万円は使ったけれど、損をしたとは考えず、それで充分に遊ばせてもらったじゃないか」と考えることにすると言うことだ。

ギャンブルは遊びである。遊びに来てまで、そんなに金儲けをしようなんていう働き者になってはいけないということでもある。番組も【損切り】して、止めてあげた方が良いときが確かにある。そのほうが、大好きな出演者のためだったりする。

【胴元】

これが、ギャンブル関係者で最も負けない。番組で言えば電通と博報堂である。

 

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