<ゲームが現実と仮想の境界線を超える>「PlayStationVR」と「ポケモンGO」が叶える子供の頃の夢


八坂亮[ゲームクリエイター]

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9月17日~9月20日の4日間、千葉県の幕張メッセで開かれていた「東京ゲームショウ2015」。筆者は9月18日のビジネスデイ(来場者を業界関係者に限定する日)に参加をしたが、それにも関わらず凄い人の数で驚いてしまった。

以前は家庭用ゲームのイベントという印象もあったが、モバイルやPCゲームの出展も目立ち、あらためてゲームをとりまく環境の変化を感じるイベントであった。

さて、そんなゲームショウ2015の目玉はなんといっても「PlayStationVR」だったと思う。

これは、ソニー・PlayStation4に接続する専用のヘッドマウントディスプレイの事で、頭に装着すれば視界の全てがゲームの世界になる事はもちろん、立体視やモーショントラッキングシステムによって現実のような立体感と動作をゲームに取り込んだ「本当にゲームの世界の中に存在するような感覚で遊べるデバイス」だ。

この「PlayStationVR」であるが、筆者としては「ついに出た!」という思いが強い。というのも、昔からこの手の「仮想世界に人が入り込む」という発想は、古くは「マトリックス」、最近では「ソードアート・オンライン」等、数多くのSF作品で登場しており、長年にわたって人々が空想を続けていた夢の一つだからだ。

勿論、まだまだSFの世界に遠く及ばない事も認識しているが、そういう未来が近くまで来ている事を感じさせられるデバイスである事は間違いない。

一方、「PlayStationVR」とは逆の発想になるが「仮想世界が現実に入り込む」という物も最近発表された。スマートフォン用アプリ「ポケモンGO」だ。これは言わずと知れた「ポケットモンスター」を題材にしたゲームで、プレイヤーが現実世界を歩いているとゲーム中にモンスターが出現し、捕獲や対戦できるという内容だ。

そもそもポケモンは道路や街中を冒険しながらモンスターの捕獲と対戦を楽しむゲームなので、ゲーム中の遊びを現実世界の行動とリンクさせて体験できるようにした格好となる。

このアプリの初報に触れて最初に頭をよぎったのは20年前の小学生だった自分の姿だ。ポケモンと言えば草むらからモンスターが飛び出してくる事が定番だが、当時の子供たちは現実世界の草むらを見て「ここにはピカチュウがいるのではないか!?」とよく想像して遊んだものだ。

そんな子供時代の空想遊びが現実になるのだと思うと、「PlayStationVR」と同様に夢の一つが叶うかのような感慨深さを感じる。

「PlayStationVR」と「ポケモンGO」それぞれで手法は違えど「現実と仮想世界の境目を無くす」というテーマは共通しているように思う。このテーマは「誰もが思い描いていた未来」である事がとても強い。きっと誰もが一度は体験したいという気持ちになると同時に、数年後の未来に向けて期待感が高まるような物だと思う。

他人事のように書いてはいるが、一応業界の人間としては両者共にインパクトの大きい存在だし、学ぶべき所は多い。

「現実と仮想世界の境目を無くす」というテーマはまだまだ発展を遂げていく事と思うが、その発展に合わせてどういう遊びが提供できるのかを考えていきたい。

 

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八坂亮

八坂亮(やさか・りょう) ゲームクリエイター 1986年、大分県生まれ。大手ゲームメイカーにて、家庭用のゲームソフト開発を行う傍ら、『らくがきラボ』名義でスマホ向けゲームも開発にも従事。一人でも多く人に「ゲームが楽しい」と感じてもらえるよう日々精力的に活動中。