<よく言った。それをお前が、やってみろ④>「ダメなテレビ番組の治し方」“掛け算で治す”


高橋秀樹[放送作家]

 

「ダメなテレビ番組の治し方」と題したこの記事のタイトル。もちろん、「治す」は「直す」の間違いではない。

今回は「視聴率の取れないテレビ番組」を治す処方箋について書いてみたいと思う。「視聴率は悪くてもいい番組」という考え方はとりあえず放っておく。

僕の知っている直し方は3つ。「引き算で治す」「割り算で治す」「掛け算で治す」である。「足し算で治す」方法はない。その理由はこのシリーズの最後に明かす。

「掛け算で治す」方法は、最も頻繁にダメな番組を治す時に用いられる。ここでも情報ワイド番組を例にとる。掛け算で治すというのは、相乗効果を狙う方法に他ならない。

報道局から借りてきた素材に、独自取材で掛け算する。

リポーターを使って取材に行ったというアリバイだけをとってきたのだけではダメ。これは足し算であって掛け算になっていない。「事件はこの現場で起こりました」というただの枠づけのことである。

通常いるキャスター、コメンテーターに、化学反応を起こしそうなゲストを掛け合わせる。スタジオの活性化は視聴率上昇の強力な武器だ、ただし、掛け合わせる通常のキャスター、コメンテーターが、能力ゼロの場合があるので要注意である。ゼロには何を掛けてもゼロであることは小学生でも知っている。

シリーズ企画を立ち上げる。しつこく、しつこく、毎日、毎日、同じ問題を追う。例えば、地方議員のいい加減さを追及するとしよう。東京のテレビ局はいつも中央を向いているから気が付かないが、各都道府県のローカル局は、当然県議会も、市議会も追いかけている。

そこを丹念に拾い上げてく。連日、追いかけていくということは変化を伴っていなければならないのは当然で、だから、毎日掛け算してゆくということになる。この掛け算の答えはきっと、政務活動費の不明瞭な支出をした、号泣の兵庫県議員となって出てくるはずである。もっと大きな値の答えになることだってもちろんある。

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