<ファイナルファンタジーブレイブエクスヴィアス>スーパーファミコン時代を彷彿とさせるスマホRPG


八坂亮[ゲームクリエイター]

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最近、暇な時間にちょこちょこと遊んでいるゲームは「ファイナルファンタジーブレイブエクスヴィアス」(以下、FFBE)。これがなかなか面白い。

FFBEはスクウェアエニックスからリリースされているスマートフォン向けRPGで、スーパーファミコン時代の「ファイナルファンタジー」を彷彿とさせる見た目で展開されるイベントや爽快感の高いバトル、そして町やダンジョンを自由に動ける探索等が特徴だ。

全体的にスーパーファミコン時代を彷彿とさせる内容で、ガチャで手に入る内容がシリーズ歴代キャラクターという点から見ても、20代後半~30代ぐらいのユーザーを狙った物なのだろうと推察する。

一昔前のモバイルゲームは画面をタップし続ければなんとなくゲームが進んでいくような、誤解を恐れず言えば「頭を使わずに攻略するゲーム」と言えるようなゲームが多かった。しかし、最近ではだいぶ変わってきた印象もある。FFBEもそんな「変わったな」という感想を抱かされた一本で、特にゲームバランス面での変化を強く感じた。

ゲームバランスと一言で述べても意味や解釈は色々だろうが、ここでのゲームバランスは「ゲームを進める上での駆け引きのバランス」だと思っていただければと思う。

■バトルはシンプルなターン性バトル

FFBEの基本の遊びは極めてごくシンプルなターン性バトルだ。具体的には、プレイヤーは最大6名のキャラクターをバトルメンバーとして自分のチームに編成する事ができ、対峙する敵に対してそれぞれのメンバーに「このターンにどういった行動をさせるか?」を一つずつ決める事ができる。行動を決めた後は、それらの行動がどういった結果をもたらすか確認し、次のターンへ進む・・・といった形だ。

■ハイブリット的なゲームバランス

バトル中の操作は基本タップするだけで進める事が可能だ。なので、ついつい適当に画面を連打してゲームを進めてしまうが、すぐにそれでは敵に勝てなくなる事に気が付く。一度負けた後、今度は敵との相性を考えて魔法や特技で弱点を突きながら遊ぶと勝てなかった敵すんなりと撃破できる。

それに気をよくして相性を考えつつ先に進むと、今度はそれでも勝てなくなってくる。そこで、チームメンバーのレベルを上げて鍛えてみた。すると勝てなかった箇所もすんなり突破できる事に気が付いた。そう、この攻略までのプロセスは昔からのRPGをプレイする感覚とほぼ同じ物なのだ。言い換えれば「頭を使って攻略する」ゲームバランスを採用しているのだ。

しかし、このゲームを「昔ながらの感覚で遊べるゲーム」とまとめてしまうのはちょっと違う。FFBEの面白いところは家庭用RPGのように「頭を使って攻略する」感覚を持ちつつ、今までのモバイルゲーム同様「頭を使わず攻略する」感覚も共存している両者のハイブリット的なバランスに落とし込んでいる所だ。

前述のように勝てない敵と出会ったらメンバーを鍛えたりする事もできるが、ラピス(課金アイテム)を消費してその場でコンティニューする事もできる。これが結構強烈で、頭を使わず遊びつつ行き詰ったらコンティニューなんて遊び方でも十分にゲームを進められる。

今現在、ラピスはゲーム中やキャンペーンでかなりの量を手に入れられるので、従来のモバイルゲームのようにタップしてどんどん進み、物語を楽しむなんて遊び方も可能だ。

■多様性に対応した今風の作り

FFBEを遊びつつ、前述のようなハイブリット的なゲームバランスの採用を目の当たりにして、極めて「今風の作りだ」という感想を持った。正直なところ、頭を使って遊びたい人もいれば、適当になんとなく楽しめればいいという人もおり、どちらかの考え方に合わせれば一方を満足させる事はできない。

今までは「モバイルユーザーとはこういう思考だ」という一種の固定観念を持って一方のみを満足させる内容に特化してきたように思うが、どちらの要望も納得させられる遊びとはこういう形だという一つの答えをFFBEが提示したように思う。

家庭用ゲームも同じで、一方の要望のみを眺めて遊びを考え続けても先細るのみだ。熱心なゲームファンも、暇つぶしでゲームを遊ぶ人もどちらも楽しめる遊びの幅を心がけてゲームを考える必要があるように思う。

最早、モバイルゲームや家庭用ゲームといった区分けで物を考えている事が前時代的なのかもしれない。

 

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八坂亮

八坂亮(やさか・りょう) ゲームクリエイター 1986年、大分県生まれ。大手ゲームメイカーにて、家庭用のゲームソフト開発を行う傍ら、『らくがきラボ』名義でスマホ向けゲームも開発にも従事。一人でも多く人に「ゲームが楽しい」と感じてもらえるよう日々精力的に活動中。