<30周年はドラクエだけじゃない>1986年は伝説のゲームたちが生まれた「当たり年」


八坂亮[ゲームクリエイター]

***

テレビのコマーシャルでも流れているように、今年は国民的RPG『ドラゴンクエスト』が生まれてから30周年となる記念すべき年。しかしご存知だろうか?

今から30年前の1986年は『ドラゴンクエスト』以外にも多くのヒット作が生まれた類を見ない「当たり年」だった事を。1986年に生まれ、シリーズ化されてゆく主なタイトルは以下の通り。

  •  ゼルダの伝説(任天堂)
    ドラゴンクエスト(エニックス ※現・スクウェアエニックス)
    がんばれゴエモン!からくり道中(コナミ)
    メトロイド(任天堂)
    悪魔城ドラキュラ(コナミ)
    高橋名人の冒険島(ハドソン)

この他にも『光神話パルテナの鏡』『アテナ』等、多くのゲームが世に出ている。残念ながらシリーズが途絶えてしまった物もあるが、現在も新作が発売さていたり、なんらかの形でキャラクターが露出していたりする物も多く、ゲーム業界的には黄金の年代だったと言える。

では、一体なぜ1986年が黄金の年代になったのか? 今回はその理由を紐解いていこうと思う。

▼理由1:大量のゲームソフトが投入された時期だった

上にシリーズ化されたタイトルをまとめたが、一方で1986年には淘汰されていったタイトルも数多く生まれている。つまり、それだけ多くのソフトが市場に投入された年だった。その背景には前年1985年に『スーパーマリオブラザーズ』の大ヒットがありファミコン本体が爆発的に普及した事がある。

このヒットを見た各会社がファミコンへの参入を決め、ソフトが出始めたのが1985年末~1986年にかけてとなり、多くのヒット作が生まれる事になる。

ちなみに、1986年にはファミコンの周辺機器ディスクシステム(カセットよりも容量の大きな専用ディスクを遊べるようにする機器)も発売されており、『ゼルダの伝説』や『メトロイド』はディスクシステム用のゲームだった。ディスクシステム自体はその後大きな存在感を示す事は無かったが、後に名を残すシリーズをアシストした存在だったと言える。

▼理由2:とにかくゲームが売れた

当時のファミコンのゲームはとにかく売れた。今でこそ売り上げが20万本を超えるとヒットで、100万本を超えるとなれば「事件」なんて時代だが、当時は「20万本なんて当たり前」というぐらいゲームが売れた。

前述の通りあまり存在感を示せなかったディスクシステムの『ゼルダの伝説』や『メトロイド』も当然のように100万本を超えている。

このように、100万本を超えるゲームは多く存在し、その他の1986年生まれのタイトルでは『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大魔境』『ドラゴンボール 神龍の謎』といった漫画原作のキャラクターゲームもミリオンセラーを記録している。

「ゲームが売れる」という事は、それだけ多くの人の記憶に残るという事。加えて1986年は前述のように多様なゲームソフトが世に出た年なので、多くのゲームが人の記憶に刻まれた年だったと言える。

▼理由3:開発期間が短かった

『メトロイド』等、続編が世に出るまでの間隔が長かった例もある為、一概に言える事ではないが、当時は一本のゲームにかける開発期間が短く、発売までのテンポ感が凄かった事もシリーズ定着に一役買っていた。例えば『ドラゴンクエスト』が発売されてから、その続編が世に出るまでわずか6か月程度しか経っていない。

続編が発売されるまでのテンポが早いという事は、遊んでいる人の熱が冷める前に新しい遊びを提供できるという事なので、当然手に取ってもらえる確率も高く、シリーズが定着するまでのスピードも速い。

加えて、当時は売れたゲームのコピー品がこれまた素早く世に出る時代だった。こういったコピー品がRPGやアクションといったジャンルを世間に定着させ、本家への期待値や人気を支えた事も触れておきたい。

以上のように、1986年はファミコンブームを目にした多くの会社がゲームソフトを発売し、特に人気の高かったゲームの続編やコピー品がテンポよく世の中に出回った事で人気を確立し、シリーズ化されていったと言える。

理屈はどうあれ、この年に生まれた数々のゲームが現代でも多くの人を楽しませている事を思うと感謝の念を抱かずにはいられない。今回名前が挙がっていないタイトルの中には『たけしの挑戦状』や『マイティボンジャック』、『トランスフォーマー コンボイの謎』『マドゥーラの翼』等もある。

これらも立派な1986年組で生誕30周年だ。『ドラゴンクエスト』や『ゼルダの伝説』ばかりがアニバーサリーイヤーとして取り上げられそうな予感もあるが、こういったタイトルの事もひっそりと祝っていただければと思う。

▼さて、最後に・・・

今回の記事では、意図的に多くのゲームタイトルを書かせて頂いた。あなたは何本わかっただろうか? 全部わかった方もそうでない方もこれをきっかけに1986年に生まれたゲームを調べてみて欲しい。

本当に多くの名作ゲームが生まれているので、きっと当時の色々な思いが頭の中を通りすぎるはずだ。

 

【あわせて読みたい】

The following two tabs change content below.

八坂亮

八坂亮(やさか・りょう) ゲームクリエイター 1986年、大分県生まれ。大手ゲームメイカーにて、家庭用のゲームソフト開発を行う傍ら、『らくがきラボ』名義でスマホ向けゲームも開発にも従事。一人でも多く人に「ゲームが楽しい」と感じてもらえるよう日々精力的に活動中。