<介護保険の改悪>「軽度斬り」と40歳以下からの保険料徴収案も浮上


山口道宏[ジャーナリスト]

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介護保険は、またまた「軽度斬り」だ。今年度からは、要介護なのに「軽度」だとサービスを受けられなくなるという。

今度のターゲットは「要介護1」と「要介護2」というから、もはや介護保険は保険の体をなしていない。

掃除、洗濯、買物、調理など、自宅に赴いてくれるヘルパーによる生活援助のサービスでかろうじて自立を維持する人は多いが、今後は駄目だという。

要介護(要支援含む)認定者は全国616万人。うち「要介護1」が120万人。「要介護2」が107万人で全体の4割を占める。1回利用料の自己負担は250円程度が全額自己負担になれば10倍の2500円になる。

となれば利用控えが心配だ。即ち、自己負担増→利用控え→症状悪化、という悪循環を招き、結局は高いものにつくのは明白だ。

そもそも要介護状態にならなければ掛け捨てなのが介護保険。しかし、高い保険料を支払うのは、先々に要介護状態になったならサービスを受けられるという当たり前の期待がある。

今ですら保険料徴収は1ケ月平均5000円が相場(制度当初は3000円程度)。2025年には8000円になるだろうと厚労省。今後はそれを40歳以下からも徴収しようと企てている。

そうでなくても今年度から「要介護3以上」でないと特養入所は「不可」とのお触れがあったばかり。一体どこへ行けというのか。さんざん待たせておいて「制度が変わったので入れません」とでも言うのか。

在宅介護が哭いている。自宅で家族の介護のために仕事を辞めざるを得ないことから、安倍政権は「介護離職ゼロ」などアドバルーンをあげるものの、これだけ見てもどこふく風だ。介護の現場では逆風が続く。

 

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山口道宏

山口道宏(やまぐち・みちひろ) ジャーナリスト、星槎大学教授、NPO法人シニアテック研究所理事長