<ギャンブラーだからわかる>「カジノ解禁法案」は貧困率を加速する悪法だ


保科省吾[コラムニスト]

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競艇を愛するギャンブラーである筆者は、先日<ギャンブラーだからこそ「カジノ解禁法案」に反対する(http://mediagong.jp/?p=20319)>という記事を書いた。

筆者の競艇歴は決して短くない。そんなギャンブラーである筆者から見ても、「カジノ解禁法案」は、貧困者をますます貧困にし、富裕層のみを利する悪法であると断ぜざるを得ない。以下にその理由を述べる。

ギャンブルには必勝法がある。

たとえばカードで赤がでるか黒かがでるかを賭けるギャンブルをするとする。子は当たれば賭け金の倍を払い戻されるが、外れれば親は賭け金を没収するというルールである。その場合、子が充分に賭け金を持っており、いつまでも賭け続けられるとすればいつかは当たる。

子は勝つ作戦として最初に1万円を賭け、負ければ次の回には2万円、その次には4万円、8万円と倍々に賭けてゆく。繰り返すが、いつかは当たる。26回連続で負け続けたとしよう。27回目の賭け金は6710億8864万円である。

この時点で勝てば、1万円の儲けである。誰もそんな賭け方はしないというかも知れないがこれは思考実験である。ギャンブルでは金持ちが必ず勝つと言うことである。

これはルーレットの赤黒にかけ続けるのと同じことである。だが、人間は弱いので賭け方に迷いがでてしまうが、勝つには決めた赤なら赤にかけ続ける強い意志と、資金的なバックが必要である。意志が強いのも金を持っているのも、もちろん富裕層である。

ヤクザが関与して開帳される賭場では、金のなくなったものに胴元が資金を「回す」と言うことが行われる。金を貸してくれるのである。しかし、借りた者は大抵負ける。胴元に借りた金がふくらみ返済できなくなれば家屋敷身ぐるみはがされることになる。

【参考】大衆迎合主義に騙されてトランプを選んだ白人の中低所得貧困層

運の潮目が来ていないのに賭け続けても負ける。そういうときは「見(ケン)」と言って「やらずに見ていること」つまり。休むことが必要なのだが、それが出来る人は少ない。何よりもカジノは24時間営業である。

胴元はなぜ金を貸すのだろう。理由は簡単である。儲かるからだ。胴元は日本の公営ギャンブルの場合で25%の経費を取る。つまり1万円で競馬をやれば7500円は戻ってくる計算だが、2500円払って競馬場に言って、ただ、緑の芝生やサラブレッドを見て、ああよかった、また遊びに行こうと思う人などいないだろう。

諸外国のカジノではまあ、テラ銭は5%ほどから15%ほどだったりと思えば良いか。とにかく胴元は絶対負けない。儲かる一方である。こんなおいしい商売を民間などにやらせてたまるか。だからグレーのパチンコを除くと日本ではギャンブルはみな、公営。ちなみに言っておくと、宝くじの寺銭は50%、totoは54% 。もはやボッタくりである。

単に賭博をやるより、賭場を運営する(ノミやなどもそうだ)賭博開帳図利のほうが罪が重いのは、そういうわけだからである。

日本にカジノが出来たら、この運営は誰がやるのだろうか?

国際的な規格のカジノとなれば、生半可なノウハウでは運営できない。参入してくるのは、業界シェアNo.1のラスベガス・サンズ(Las Vegas Sands)、MGMリゾーツ(MGM Resorts)シーザーズ・エンターテインメント(Caesars Entertainment)、SJMホールディングス(SJM Holdings)、ウィン・リゾーツ(Wynn Resorts)、ギャラクシー・エンターテイメント(Galaxy Entertainment)、ゲンティン・グループ(GENTING Group)などだろう。

これらはアメリカ、マカオ、マレーシアの企業だが、簡単にいえば、アメリカ資本と華僑資本である。さぞやトランプ米国時期大統領もお喜びになるだろう、カジノはまた、たくさんの天下り先を提供してくれるだろう。

ここまで見て分かるように「カジノ解禁」は貧困層をより貧困にし、富裕層をますます太らせる悪法だ。筆者はギャンブラーとして断固反対する。

しかし、この法律が「成立してしまう」の方に1000円賭ける。

 

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メディアゴン 編集部

メディアゴン編集部(めでぃあごんへんしゅうぶ)2014年5月末日、東京生まれ。メディア批評・メディア評論に特化したメディア専門家によるメディアニュースサイト。キー局プロデューサー、ディレクター、イベントプロデューサー、放送作家、大学教授、評論家、ゲーム作家、弁護士・・・などなど、メディアの第一線で活躍する人材が活動中。