<続・生きてやろうじゃないの!>東日本大震災と被災者家族の記録(10)被災者としての「誇り」

社会・メディア

武澤忠[日本テレビ・チーフディレクター]
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「もうすぐ震災から5年・・・」
「風化させずに伝えたい・・・」

そんな思いからカメラを手に撮影をはじめて、もうすぐ5年が経つ。
震災1年半後の夏には、タレントの間寛平さんが岩手・宮城・福島の被災3県を、9日間かけて縦断する「復興支援マラソン」に密着取材。
462キロを走り続けた寛平さんとともに、被災地の様々な表情を目の当たりにした。

「自分が手を離してしまったから妻が津波にのまれ死んだ」

と悔い続ける80歳の男性。
自分が止めるのも聞かずに人を助けに行って亡くなった夫を恨み続ける未亡人。
消防士の父親にあこがれ、自分も将来人を助ける仕事がしたいと語った少年。
原発事故で故郷を追われた一家・・・等々。
あの人たちはいま、どうしているだろうか・・・。普段はまったく違うジャンルの番組をつくっているが、メディアに生きるものとして、少しでも被災地のことを風化させずに伝えられればと、今回寄稿させていただいた。
戦争と震災・・・ふたつの大きな災いを経て、もうすぐ82歳となる母・武澤順子は、最近日記にこう綴っている。

「今度は『被災者』としてではなく、自分自身が、誰かのお役にたてるよう立ち上がらなければいけないと思う。それが震災で受けた多くの御恩に報いる道であり、『被災者としての誇り』でもある」

(※本記事は全10回の連続掲載の最終回です。)

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