<続・生きてやろうじゃないの!>東日本大震災と被災者家族の記録(9)日本人女性の逞、転んでもタダでは起きない東北人魂
武澤忠[日本テレビ・チーフディレクター]
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2013年3月。
3年間撮り続けた記録を「リアル×ワールド 3YEARS 母と僕の震災日記」として放送した。その番組を編集しながら気づいたのは、母の表情が、震災直後と比べてみるみる逞しくなっていくことだった。
そして感じたのは、「日本人女性の逞しさ」であり、「転んでもタダでは起きない東北人魂」だった。
放送後、「お母さんの笑顔に勇気をもらった」「自分も被災者だが、番組を見てとても励まされた」など、多くの反響をいただいた。そして息子として嬉しいのは、そうした多くのメッセージをいただき、母がより元気になり、生きがいをもって生きているという事実である。
あるとき、会社のとても偉い方から直接電話をいただいた。
「番組素晴らしかったですよ。ただ、あの日記は本当にお母様が書かれていたんですか?」
「本当ですよ!僕にはあんな文章書けません!」
苦笑いしながらそう言うと、その方はこう言ってくれた。
「素晴らしい文才ですね。お母様は国語の先生か何かされてたの?」
「いえ・・・普通の主婦です」
そう答えたが、本当はこのとき、こう言いたかった。
「僕の母は、日本一のヤクルトおばさんです!」
(※本記事は全10回の連続掲載です)
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