よりよく生きようと思ったら「良い質問」をすると良い

茂木健一郎[脳科学者]
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世の中には、質問に対して、答えを持っている人が偉い、というような思い込みがあるけれども、実はそうではないと思う。的確な質問をする、ということの方が、実は尊い、ということがある。
ニュートンが万有引力の法則を発見できたのも、なぜ、りんごは落ちるんだろう、なぜ月は回っているんだろう、と質問したからで、両方を結びつける理屈が、万有引力だった。りんごは落ちるのが当たり前、月は回るのが当たり前、と思っていたら、いつまで経っても気づかない。
フェルマーの最終定理を証明したアンドリュー・ワイルズはもちろん偉いが、そのような定理があるのではないかと質問したフェルマーは、さらに偉い。証明せずに数式をたくさん書いてしまったラマヌジャンは、ある意味ではそのような形式で「質問」していたとも言える。
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学校教育の中では、どうしても、先生が質問して、それに対して答えることのできる生徒が評価されがちだけれども、本当は、質問ができる生徒、特に、良い質問、よく定義された質問ができる生徒が、もっと、評価されて良い。
良い質問ができたときには、もう、問題は半分解けているのと同じであって、何よりも、努力の方向性が示せている、というところがすごいと思う。そのことによって、たくさんのひとがコラボする形式もできるのだ。
ワトソンのような人工知能は、問題が出ると、ビッグデータで仮説をつくり、ビッグデータで検証して答えを出す。これからの人工知能時代には、答えを出すことよりも、質問することの方が高く評価されることになるのかもしれない。
質問をするということは、好奇心の表れであり、自分の中に隙間、真空をつくるということである。質問ができる人生は、前向きの、生きるエネルギーに満ちた人生である。よりよく生きようと思ったら、良い質問をすると良い。

(本記事は、著者のTwitterを元にした編集・転載記事です)

 
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