消費税を5%に戻し「格差拡大」に歯止めかけろ -植草一秀


植草一秀[経済評論家]

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私たちが日本政治を刷新するためにはどうしたらよいのか。答えははっきりしている。民主主義を活用することだ。私たちには1人1票という参政権が付与されている。この1人1票という参政権を有効活用して政治を刷新するのだ。

現状に目を向けると、政治刷新など困難ではないかとの声が浮上するが、それは杞憂である。現に、2009年に私たちは無血の平成維新を実現した。このときは、既得権勢力のその後の巻き返しで、政治刷新の大業を果たすことができなかったが、失敗の教訓を踏まえて、再チャレンジすればよい。失敗を活かして成功に導くことが大事だ。

2014年の総選挙で安倍自民党の得票は全有権者の17.4%に過ぎなかった。6人に1人程度しか安倍自民党には投票していない。同じ政権与党の公明党への投票を合わせて24.7%だった。当時の野党に投票した主権者が28.0%。安倍政権与党ではない政党に投票した主権者の方が多かったのである。

安倍政治はひと言で表現すれば「1%のための政治」である。それにもかかわらず、1%でない人々が安倍政治を支えてしまっている。1%のおこぼれ頂戴に多くの民衆が群がってしまっているわけだ。私たちは「99%のための政治」を目指すべきだ。これを具体的な政策方針として示し、この「政策」を基軸に選挙を戦う。

オールジャパンの「政策連合」を確立して、主権者が「政策」を選択する。「政策選択選挙」を実現すればよい。滋賀、沖縄、新潟の知事選で、野党候補が勝利した。原発や基地などの具体的な政策を争点に掲げて、主権者が「政策」を選択したことによる勝利だった。

新潟では小政党が擁立した候補者が見事な勝利を収めた。野党第一党の民進党は原発推進候補を側面支援しながら、選挙戦終盤で原発反対候補が支持を広げると、一転して原発反対候補を支援するという失態を演じた。日本政治を刷新するには、「新潟メソッド」を活用すればよい。

 

次の総選挙で争点として掲げるべき事項は次の三つだ。第一は原発、原発の稼働を認めるのか認めないのか。原発を認めないという選択は、当然のことながら、すべての原発の廃炉を目指すということである。すべての原発の稼働をまずは止める。これが第一。

第二は、日本を「戦争をする国」に変えてしまったことの是非。安倍政権は憲法解釈を勝手に変えて日本を「戦争をする国」にした。憲法解釈を勝手に変えて、さらに「戦争法制」を強行制定した。これを是とするのか、非とするのか。安倍政権を退場させて、戦争法制を廃止する。もちろん、集団的自衛権行使も容認しない。

第三は経済政策の基本方向として弱肉強食を目指すのか、それとも共生を目指すのか、である。このことを明瞭に示す選択肢を主権者の前に提示する。

まず、第一歩として、消費税率の5%への引き下げの是非を問う。その分税収が減るが、この減収分を「能力に応じた課税」で賄う。具体的には金融資産課税の強化を図る。もちろん、社会保障支出の切り捨ては行わない。

この三つの政策基本路線を明示して、主権者に「政策」を選択してもらう。この政策を基軸に、オールジャパンの「政策連合」を構築する。党派は問わない。「政策」を基軸に選挙戦を展開するのだ。「政策選択選挙」で日本政治刷新を実現することができるはずだ。

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植草一秀(うえくさ・かずひで) 1960年、東京生まれ。経済評論家(日本経済論、金融論、経済政策論)。東京大学卒業後、野村総合研究所、大蔵省財政金融研究所研究官、京都大学経済研究所助教授、野村総合研究所主席エコノミスト、早稲田大学大学院公共経営研究科教授、名古屋商科大学客員教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役社長。