<安倍内閣の支持率急落>政権崩壊の幕が切って落とされた -植草一秀


植草一秀[経済評論家]

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6月21日午後4時より、参議院議員会館講堂において『森友・加計問題の幕引きを許すな! 国家権力の私物化を許さない! 安倍やめろ!!緊急市民集会』が開催された。主催は森友告発プロジェクト。暴風が吹きすさぶ中で開催された集会であったが、会場に入りきれない市民が集結して熱気あふれる討議が行われた。

安倍内閣の支持率が急落している。政権崩壊劇の幕がはっきりと切って落とされたと言ってよいだろう。森友・加計・山口のアベ友三兄弟疑惑は深まる一方で、安倍政権は説明責任を果たそうとしない。説明責任を果たせば政権の犯罪が明らかになるから、説明不能に陥っているというのが実情であろう。

森友疑惑は、時価10億円は下らないと見られる国有地を1億3400万円の安値で近親者に払い下げたという、典型的な政治腐敗事案であると言える。安倍首相は2月17日の衆議院予算委員会で、

「私や妻がこの認可あるいは国有地払い下げに、もちろん事務所も含めて、一切かかわっていないということは明確にさせていただきたいと思います。もしかかわっていたのであれば、これはもう私は総理大臣をやめるということでありますから、それははっきりと申し上げたい、このように思います。」(議事録251)

「繰り返しになりますが、私や妻が関係していたということになれば、まさに私は、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめるということははっきりと申し上げておきたい。」(議事録255)

と答弁しているから、安倍昭恵氏が国有地取得問題にかかわっていたことが明らかになれば、総理大臣と国会議員を辞任しなければならなくなる。電話で集会に参加した豊中市会議員の木村真氏は、「森友疑惑も加計疑惑も、もはや「疑惑」ではない。「グレー」ではなく「真っ黒」であることがすでに立証されている。残っているのは安倍首相が辞任するということだけだ。」と指摘した。

木村氏が指摘するように、森友学園への国有地払い下げが、適正な対価による譲渡でないことは明らかになっており、また、安倍昭恵夫人の関与も明白になっている。したがって、日本に「法と正義」に基づく政治が存在するなら、安倍政権はすでに消滅していなければおかしい。

ところが、現実には、安倍政権が説明責任を放棄し、自分が発した言葉に対する責任にも頬かむりをして、政権の座に居座っている。野党は主権者国民の負託を受けて、国会において安倍政権の責任を適正に追及する責務を負っている。

これだけの不祥事が続発しながら、安倍政権の居座りを許していることについて、野党は行動力の欠如を真摯に反省する必要がある。集会冒頭、森友告発プロジェクトの共同代表の藤田高景氏が安倍政権打倒に向けての意思の統一を呼びかけた。

フォーラム4の古賀茂明氏は近著『日本中枢の狂謀』を紹介しつつ、山口疑惑で準強姦罪容疑での逮捕状を握り潰した警察庁の中村格氏が、古賀氏が出演した「報道ステーション」でのI am not Abe.発言について、番組放送中にテレビ朝日に抗議のメールを送信してきた事実を指摘した。

国会議員では日本共産党の畑野君枝議員と社会民主党の福島みずほ議員が挨拶をした。安倍首相は「国民に対して真摯に説明したい」と発言しており、野党は閉会中審査ならびに臨時国会の召集を要求している。ところが、口先三寸、二枚舌、三枚舌の安倍晋三氏は、すべての国会における説明責任を放棄している。

両議院は安倍政権の無責任対応を非難するとともに、主権者の連帯による安倍政権打倒を呼びかけた。ジャーナリズトの高野孟氏は、週刊ポストが「不潔な、あまりに不潔な 安倍政権の恥部」と題する安倍首相批判記事を掲載したことを紹介し、安倍政治を取り巻く潮流に明確な変化が生じているとの認識を示した。

官邸での記者会見で菅義偉官房長官に執拗に質問を浴びせかけた東京新聞の望月衣塑子記者が駆けつけて登壇し、前川喜平前文部科学事務次官に対するインタビュー内容を詳細に語った。安倍政権を厳しく追及していくとの意思表示に市民は万来の拍手で応じた。

私は、安倍政権退場の必要条件は整ったが、十分条件が満たされていないことを指摘した。安倍首相が「自分や妻が関わっていたら総理も議員も辞める」と明言したのちに、安倍昭恵氏の関与が明白になったのであるから、安倍昭恵氏の証人喚問を実現するまでは、寝転んででも国会審議に応じないという程度の強い姿勢で臨む必要があった。

野党に不退転の決意と行動があれば、すでに安倍政権は消滅しているはずだし、共謀罪の創設も阻止できたはずだ。喫緊の課題は、主権者の側の体制を構築することだ。現在の野党共闘だけでは、安倍政権を打倒し、主権者政権の樹立は難しい。

次の総選挙に向けての主権者の側の体制確立が急務である。

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植草一秀(うえくさ・かずひで) 1960年、東京生まれ。経済評論家(日本経済論、金融論、経済政策論)。東京大学卒業後、野村総合研究所、大蔵省財政金融研究所研究官、京都大学経済研究所助教授、野村総合研究所主席エコノミスト、早稲田大学大学院公共経営研究科教授、名古屋商科大学客員教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役社長。