<アベノミクスの実績は最悪?>自公に過半数議席を与えてはならない -植草一秀


植草一秀[経済評論家]

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第48回衆議院議員総選挙が公示された。選出される議員定数は465、このうち289議席が小選挙区で選出される。比例代表で選出される議席は176議席である。紆余曲折を経て、この選挙では三つの陣営が議席を争うことになる。

『自民・公明=自公』『希望・維新=希維』『立憲民主・共産・社民=立共社』の三陣営である。

争点は、『戦争法制・憲法改定』『原発再稼動』『消費税増税』である。選挙後の枠組みで希望の小池百合子代表は自公との連立を否定していない。したがって、希維は自公の補完勢力との性格を色濃く有している。

オールジャパン平和と共生(https://www.alljapan25.com)は、戦争・原発・消費税を今回総選挙の三大争点であると位置付け、『戦争法制廃止・憲法改悪阻止』『原発再稼動反対』『消費税増税中止・消費税減税』を求め、この公約を明示する候補者を一選挙区一候補者の体制で支援することを訴えてきた。

今回の総選挙では、立共社の野党共闘勢力が、『戦争法制廃止・憲法改悪阻止』『原発再稼動反対』『消費税増税反対』の政策を明示し、289の小選挙区のうち、249の選挙区で候補者一本化を実現させた。

オールジャパン平和と共生では、この候補者に主権者の投票を集中させることを基本戦術として位置づけて、オールジャパンの連帯を強く求めている。

今回の総選挙で主権者が特に留意しなければならない点が2点ある。第一は、自公と希維が衆院3分の2勢力を占有する場合に、憲法改悪が強行される可能性が著しく高まることである。第二は、自公が過半数を確保すると、2019年10月に消費税率が10%に引き上げられることが確定的になることだ。この二つのことがらを、何としても阻止しなければならない。

日本は戦後、日本国憲法のおかげで「戦争をしない国」であり続けた。憲法改悪の最重要のポイントは、日本を「戦争をする国」に改変することにある。自公プラス希維に3分の2議席を付与することは、この根幹が破壊されることであると言ってよいだろう。

2012年12月の第2次安倍政権発足後の日本経済の実績が良かったのか、悪かったのか。これが党首討論などで論議されているが、国民生活の視点から言えば、完全に「悪くなった」というのが正しい。経済全体のパフォーマンスを図るのは「実質経済成長率」である。国民生活のパフォーマンスを図るのは「実質賃金所得」である。この二つの指標で安倍政権下の日本経済は最悪の推移を示している。

安倍首相はこまごまとしたことを述べて、経済が良くなったかのようなことを言うが、大学受験に落ちた生徒が、試験の細目で「漢字は書けた」とか「この問題には正解を書いた」と言い張っているようなものだ。

第2次安倍政権下の実質GDP成長率平均値は+1.4%。あの、あまりパッとしなかった民主党政権時代の実質GDP成長率の平均値は+1.8%である。

第2次安倍政権発足後の日本経済がいかに低迷を続けているのかを示す明白な証拠である。

そして、労働者の実質賃金指数は、第2次安倍政権下で、約5%減少している。この数値には、ボーナスも時間外賃金も含まれている。「現金給与総額」を実質化した指数で5%も減少しているのだ。

あのあまりパッとしなかった民主党政権時代でも、実質賃金指数はほぼ横ばいだった。この状況下で消費税率が10%に引き上げられたら、庶民の生活は完全に破壊される。

自公の与党に過半数議席を与えてはならないのだ。

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植草一秀(うえくさ・かずひで) 1960年、東京生まれ。経済評論家(日本経済論、金融論、経済政策論)。東京大学卒業後、野村総合研究所、大蔵省財政金融研究所研究官、京都大学経済研究所助教授、野村総合研究所主席エコノミスト、早稲田大学大学院公共経営研究科教授、名古屋商科大学客員教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役社長。