<ワーキングプアは生活保護の3倍>準備不足の「生活困窮者自立支援制度」


山口道広[ジャーナリスト]

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来年度の「生活困窮者支援制度」(註)は、始まる前から暗礁に乗りかけている。

同制度の実施主体は市町村だが、その3割が担当部署も決まらず、首長の6割も「制度を知らない」(厚生労働省)という。ちなみに、これは生活保護ではない。いわゆる「福祉6法」に落ちこぼれた救われない層の「ワーキングプア」が典型的な対象で、はたらけどはたらけど我が暮らしラクにならざり・・・な人々である。

言いかえれば「生活保護の申請を躊躇している人」と言っても良いだろう。

明日は我が身か、「もう一つのセーフティネット」ともいえる同制度を作った背景には、210万人の生保受給者の3倍という「ワーキングプア」と呼ばれる人々の存在がある。が、この「生活困窮者支援制度」が「絵に描いた餅」になるは必至だ。これもまた国から自治体への丸投げに起因するのか。そもそも雇用さえしっかりしていたなら、こうした法律は要らないのだから。

アベノミクスは、「アベのミス」なのか。

[註]生活困窮者自立支援法:生活保護に至る前の段階の自立支援策の強化を図るため、生活困窮者に対し、自立相談支援事業の実施、住居確保給付金の支給その他の支援を行うための所要の措置を講ずる(厚生労働省)

 

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山口道宏

山口道宏(やまぐち・みちひろ) ジャーナリスト、星槎大学教授、NPO法人シニアテック研究所理事長