<視聴者が望む役者の個性>木村拓哉は「何を演じてもキムタク」であってほしい

エンタメ・芸能

黒田麻衣子[徳島テレビ祭スタッフ]
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前回の記事に引き続き、今回も「キムタク」について書いてみたい。
「キムタク」とは、言わずと知れたSMAPの木村拓哉さんのことである。デビューしてから27年。すでにアラフォーオヤジの年齢だけれど、現役アイドルである。コンサートチケットはまだまだ入手困難だし、彼が主役を張るドラマは、他のドラマと比べても高視聴率。世の女性達を悩殺し続けている。
長く第一線で活躍されている分、アンチも多く、ネット批評では「キムタクは何を演じてもキムタク」と揶揄されている。もしかすると木村さんご自身もそれで悩まれた時期があったかもしれない。制作側は、その殻を破ろうと試行錯誤したかもしれない。
でも、ごめんなさい。一視聴者の立場で、あえて、言わせていただきたい。

多くの視聴者が求めているのは、「ザ☆キムタク」なのである!

木村拓哉とは、その存在がすでに希有。結婚してても子どもがいても、40代になっても、自他共に認める「アイドル」で居られる存在。コンサートで「これぞ、アイドル」な決めゼリフを言っても許される存在。ドラマで女を口説いて「カッコエエ」と視聴者に言わしめる存在なのである。
後にも先にも、キムタクはキムタクしか居ないし、キムタクにしかできない存在。だから、ドラマでも「ざ☆キムタク」を見たいと視聴者に思わせる。
今までのキムタクドラマを振り返ってほしい。視聴率の出ているドラマは、すべて「ざ☆キムタク」なドラマではないだろうか。立場や地位を省みずに「ダメなことはダメ」とぶっちゃけるブレなさ、好きな女には正面から「オレ、おまえのこと好きだから」と言っちゃうストレートさ。視聴者はこれを見たいのではないか。ニヒルなキムタクなんか見たくないし、言いたいことが言えないキムタクなんて魅力はない。
キムタクは「何を演じてもキムタク」でいい。なぜなら、それが見たいから。
世の中には、カメレオン俳優と呼ばれる役者さんもいる。同じ人が演じているのに、まったくまるで別人に見える。それはそれで、とてもステキだ。しかし、同時に、何を演じても、役が役者の個性に負けてしまう人もいる。世の中に、いろんな個性があるように、役者にもいろんな個性があっていい。
役者の個性そのままにスクリーンで輝く人がいてもいいじゃないか。だって、それが視聴者の望む「個性」なのだから。
 
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