<NHKが放送する番組宣伝はCM?>番組宣伝「番組」は不快を超えた視聴者への背信


保科省吾[コラムニスト]

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NHKの「番組と番組の間に入る自局番組の番組宣伝」はコマーシャルではないのか?

放送法を読むと、「NHKはCMを流してはいけない」と定めてあります。この法の趣旨は、民間企業や組織からの金銭の授受を禁止する為のものです。しかし、金銭の授受はありませんが、自局に利益を誘導していることには違いありません。

法律論はさておき、CMがないから、NHKを観ているのに、これらの番組宣伝を強制的に見せられるのは、明らかに不快です。

一方、民放の場合はどうでしょう。こちらはやりたい放題です。情報番組や、最近はニュース番組にまで、「番組ジャック」などと称してドラマ出演の芸能人が次々に出演します。民放の場合、CMで経営が成り立っているのですから、他番組の宣伝をやることは当該番組にCM料を払っているスポンサーに対しての裏切りです。

さらに、情報番組には明らかにタイアップとわかる芸能情報が多量に流れこんできます。番組にはどの情報を扱うかの取捨選択権があるはずですが、これはたいてい機能しておらず、編成局から持ち込まれる自社番組宣伝、事業局から持ち込まれる自局イベントの宣伝、営業局から持ち込まれるスポンサーの商品発表会見、時にはプロダクションから押し付けられる有力タレントの舞台宣伝など、あふれんばかりの宣伝で埋め尽くされます。

見苦しいのは、これらを「宣伝ではない」と装うことです。宣伝だと観てもらえないと分かっていることが透けて見えますが、視聴者はそんなに馬鹿ではないからこれらが宣伝であることはとうに見抜いています。どんなに上手に隠れても「黄色いあんよ」は見えています。

それよりも、民放は番組に実際にCM料を払ってくれているスポンサーをもっと、正常に愛して、綺麗にCMを見てもらえるよう、CM入りの工夫をするべきでしょう。

スポンサーがCM料が払えるほど潤っているのは、まわりまわって、消費者・視聴者のみんなが使っているお金なのです。

 

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メディアゴン 編集部

メディアゴン編集部(めでぃあごんへんしゅうぶ)2014年5月末日、東京生まれ。メディア批評・メディア評論に特化したメディア専門家によるメディアニュースサイト。キー局プロデューサー、ディレクター、イベントプロデューサー、放送作家、大学教授、評論家、ゲーム作家、弁護士・・・などなど、メディアの第一線で活躍する人材が活動中。