<民放は日本のCNNになるべき>勝ち残れるのは「報道」に特化したテレビ局だけだ


保科省吾[コラムニスト]

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日本の民放テレビは、インフラとしてはこれからも残っていくと思われる。但し、コンテンツは見られなくなってゆくであろう。以上のことは誰でも予測がつく。

では「生き残り」にはどうすればよいだろうか。

筆者は、「報道24時間放送に特化すればよい」と考える。いわば、民放は「日本のCNN」になればよいのである。しかも、ケーブルテレビのような媒体ではなく、地上波でやることが重要だ。地上波の有利性を活かす放送ということだ。

しかし、このように言うと必ず、「それは法律で出来ないんだ」という人がいる。

[放送法]第106条 基幹放送事業者は、テレビジョン放送による国内基幹放送及び内外基幹放送(内外放送である基幹放送をいう。)(以下「国内基幹放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、特別な事業計画によるものを除くほか、教養番組又は教育番組並びに報道番組及び娯楽番組を設け、放送番組の相互の間の調和を保つようにしなければならない。

最後の二行である。つまり「報道もバラエティもドラマもまんべんなくやりなさい」ということだ。

そういえば、やってはいるけど筆頭に掲げられている「教養番組又は教育番組」は見たことがない、バラエティのそれっぽいのを、動物番組とか、世界をめぐるクイズ番組とかを「そうだ」と言いはっているのだろう。しかし、あんなものは「教養番組又は教育番組」ではない。

ようは、このようなことはいづれも「運用でどうにでもなる」ということを意味している。

しかしながら、報道24時間放送の局になるのには、莫大な投資が必要だろう。その投資に踏み切れる胆力のある社長が今の東京キー局にはいないのだろう。

一番可能性があるのは「テレビ東京」だが、そもそも報道局員が少ないので、実質上の親会社、日本経済新聞の協力が必要だ。せっかくなので、時事通信も合併させてはどうだろう。給料が安いから喜ぶはずだ。ついでだから、TBSも合併させて、毎日新聞からは人を引き抜こう。毎日新聞には人材がいるのに、ここも給料が安いから、今や、毎日新聞は朝日や、読売、テレビ局、通信社、大きめのIT屋さんなどの人材供給源となっている感がある。・・・いろいろなことが頭をかすめる。

さて、何故「報道24時間放送を地上波でやるのか?」といえば、理由は至って単純だ。地上波ならテレビのリモコンにボタンが付いているから、というだけに過ぎない。リモコンにボタンが付いているのはとにかく有利だ。少なくとも、現在の一般的なテレビにはYoutubeやニコニコ動画のボタンが付いていない。

そのうち、リモコンにインターネット動画配信のボタンがつくだろうから、今のうちに「そうならないよう」に家電メーカーにも少しずつテレビ局の株を買わせておけば良い。

ドラマやバラエティはどうすのかという人もいるだろうけれど、これは、基幹放送事業者がもうひとつ持っているBS放送でやればいいのである。

この21世紀の「メディア大合併」話を実行できる坂本龍馬が現れないものだろうか。

 

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メディアゴン 編集部

メディアゴン編集部(めでぃあごんへんしゅうぶ)2014年5月末日、東京生まれ。メディア批評・メディア評論に特化したメディア専門家によるメディアニュースサイト。キー局プロデューサー、ディレクター、イベントプロデューサー、放送作家、大学教授、評論家、ゲーム作家、弁護士・・・などなど、メディアの第一線で活躍する人材が活動中。