<テレビは「ミニ番組全盛の時代」へ>日曜の夜にタモリがバーのママ・宮沢りえと共にやってきた


影山貴彦[同志社女子大学 教授/元・毎日放送 プロデューサー]

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待ってました!と申し上げたい。

フジテレビ系の新番組「ヨルタモリ」が、19日スタートした。1回目の放送終了後、「これから毎週欠かさず観よう」と強く決意したとともに、万全を期すべく、家のデッキには、毎週予約録画登録をした。

最高に面白かった。小難しいことを記すつもりは毛頭ない。タモリさんが嬉しそうだった。楽しそうに見えた。それが視聴者に十二分に伝わってきた。

正直に申し上げる。

NHKの名番組「ブラタモリ」を想起させる番組タイトルといい、これまた関西の名番組「たかじんnoばぁ~」(読売テレビ)の設定の模倣じゃないか、と感じさせるセットのこともあったり、いまや伝説となった「今夜は最高」(日本テレビ)の足元にさえ到底及ぶことはないだろう、と正直少々斜めから見ていた。

大好きなタモリさんだが、「笑っていいとも」の終了後、「フジテレビが必死でタモリさんつなぎ止め作戦に出た結果の番組に過ぎないのではないか?」といささか冷めた気持ちでテレビの前に座った。それが偽らざる気持ちであった。

しかし、この場を借りて、心からお詫びする。タモリさんはそうした巷間のネガティブな詮索を、昨夜の1回目の放送で、軽やかにうっちゃってしまったのだ。タモリさんが「密室芸人」と呼ばれていたことを知る人は、メディア業界にいる人々でさえ少なくなっている。筆者の教え子である現役大学生たちが生まれた時には、既に「笑っていいとも」は円熟期にあったのだから、それも仕方ないことだろう。

タモリさんには「夜」がよく似合う。パートナーを務める宮沢りえさんがいい。井川遥さんのCMではないが、大人の男たちが思わず足繁く通ってしまいそうなバーのママをこの上なく好演している。トークも冴えている。

アドリブ中心のトークがあり、かと思えば「ミュージシャン・タモリ」の復活を彷彿させるコーナーもあり、もちろん一人コントで「芸人タモリ」もしっかりと見せてくれた。

30分の番組でありながら、作り手は相当に手間隙をかけているはずである。

「ミニ番組全盛の時代」がテレビ界にやってくる、と、ここしばらく主張している筆者だが、それを裏付けるような「ヨルタモリ」の誕生だ。

 

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影山貴彦

影山貴彦(かげやま・たかひこ)同志社女子大学 学芸学部情報メディア学科・教授。早稲田大学政治経済学部卒。専門は「メディアエンターテインメント論」。毎日放送(MBS)プロデューサーを経て現職。日本笑い学会理事。著書に「テレビのゆくえ」「おっさん力」「百恵讃」「社会人大学院生入門」など。