<映画は予告編からが映画>「映画の予告編から私語厳禁」に賛成?それとも反対?


影山貴彦[同志社女子大学 教授/元・毎日放送 プロデューサー]

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筆者は映画好きである。

映画館で喋っている人間がいると、必ず注意する。少々席が離れていても、該当者の近くまで足を運んで行き注意する。小さな声で、かつ最大の効果のある、けれど丁寧な言い回しで注意する。

妻と一緒の時などは、「恥ずかしいから、止めて」と言われるが、注意することをガマンするストレスは半端ならぬものがあるし、何より筆者が注意することで、静かな環境を取り戻せ、映画に集中できるようになったと喜んでくださっている人々は少なくないはず、と密かにかつ確信的に思っている。

自宅でテレビを観る際と同じ程度の声のボリュームで、隣同志喋っている輩がいる。

暗がりの中で、携帯画面を光らせながら、メールをしているヤツがいる。先だっては、ついに劇場内で通話をしていた猛者がいた。このままいくと、映画館で音を出して携帯ゲームをする「スーパーマン」が出現するかもしれない。いや、もういるのかもしれない。

さて、本題である。

映画の本編が始まった後のお喋りは禁止、ということは、ほとんどすべての方のコンセンサスを得られることと思う。

では、予告編の時はどうだろう? 意見が分かれるところかもしれない。筆者の意見を述べれば、劇場内に入った瞬間から映画は始まっている、と考えている。

これから展開される作品について、あれこれと思いを巡らせる、想像力を広げられるこの上なく大切な楽しい時間なのだ。その貴重なひとときを近くに座ったくだらない客の雑談で邪魔されたくないのだ。

賛同してくださる方は少ないのかもしれない。しかし筆者は、

「予告編がスタートした時点から、映画館内の会話は厳禁」

にしてほしいものだと、すこぶる本気で思っているのである

 

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影山貴彦

影山貴彦(かげやま・たかひこ)同志社女子大学 学芸学部情報メディア学科・教授。早稲田大学政治経済学部卒。専門は「メディアエンターテインメント論」。毎日放送(MBS)プロデューサーを経て現職。日本笑い学会理事。著書に「テレビのゆくえ」「おっさん力」「百恵讃」「社会人大学院生入門」など。