<全編番宣?「めちゃイケ」の意図が不明>ビジョンのない「素人とのカラミ」はバラエティではケガの素


高橋維新[弁護士]

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2015年5月30日のフジテレビ「めちゃ×2イケてるッ!」(めちゃイケ)。今回も27時間テレビの番宣が主であった。

ホンキーマンのコーナーは、岡村隆史(ナインティナイン)のダイエットの模様を流すドキュメンタリーに止まらず、ダイエットに対して岡村が様々な形でズルをしようとするコントになっていた。

岡村は、この手の企画での立ち回りはお手の物なので、今日から始めろと言われているトレーニングを「明日からやる」と言ってみたり、美人の栄養士さんの前でやる気を出してみたり、インストラクターの先生に文句をつけてみたりと色々とボケを出していた。

岡村の魅力は及第点レベルに引き出せていたと思うが、言いたいことは二つ。

まず、岡村が「モテようとする」というボケは、当の本人がもう44歳になってしまったこともあり、少し痛々しい。岡村が30代前半ぐらいまでであればまだ笑い飛ばせたのだろうが、44歳の岡村に同じことをやられると見ている方も少し引いてしまう。何らかの工夫が必要であろう。

二点目として、ホンキーマンに扮している岡村の顔(特に眉毛)に違和感があった。少し、化粧をしているように見えた。この点が誰からもツッコまれていなかったので、見た目を気にした岡村がマジでカッコつけて化粧をしたかのような印象を筆者は持ってしまった(本当のところはどうだか分からないが)。このせいで、一点目の「モテようとする」というボケの必死さが増してしまい、ますます引いてしまった。

とはいえいずれも細かい粗レベルの話なので、コンセプトは間違っていないと思う。まあ、もっとおもしろくはできるのだろうが、27時間テレビの番宣が絡んでいる中であそこまでできたのだから善しとすべきか。

他方、後半の岡村・濱口優(よゐこ)が中学生と絡む企画は、企画意図が全く分からない。

あそこに出ている中学生は、固さやテンションの低さなどから考えれば、「めちゃギントン」に出てくる子供と違って「マジの素人」だと思われる。マジの素人は、たまに独立でおもしろい人もいるが、基本的には番組や演者などプロの方が工夫をしないとおもしろさが出せない。

この工夫には色々と「種類」がある。ひとつは、イジるというやり方であって、明石家さんまが得意としている。「恋のから騒ぎ」(日本テレビ)などでよく見られたが、さんまが素人の相手をすると、素人もさんまにイジられようとして色々と自分で工夫をするようになるのである。

ただ今回の中学生は、岡村と濱口の技量の問題か、中学生自身の問題なのかははっきりと分からなかったが、終始番組に対して非協力的だった。

そうなると、絡んでも基本的には響かないため、ケガをするだけである。中学生から笑いを引き出すのは難しいと判断したのだろうか、ロケの後半は岡村と濱口がひたすらボケていたが、ツッコミがいない(無論中学生にその役は期待できるはずもない)ので収拾がつかない。

矢部浩之(ナインティナイン)がナレーションでツッコミをしていたが、本来、矢部はロケについていくべきであった。矢部のツッコミはVTRを見ながらの別撮りになっていたため、臨場感に欠けていたのである。ナレーション単体として見てもひどくヘタクソだった。

岡村や濱口も、ツッコミがいないのでかなり萎縮していたように見えた。スベったらフォローのしようがないと考えてしまうと、とにかく全てが怖くなるもんである。

もしかしたら、当初のこの企画に矢部が参加することは一切想定されていなかったのかもしれない。ところが肝腎の中学生の反応が鈍く、岡村や濱口が頑張っても微妙な感じだったので、急遽あとから矢部のツッコミを撮ったのではないだろうか。

この企画は今後も続くかのようなことが言われていたが、ビジョンもないまま素人と絡むと今回のようにケガするだけなので、やめた方がいいと思う。ヤンキーに扮した岡村と濱口の掛け合いは「仮兎マサル」のコーナーそのままなので、2人が適当に絡むだけで結構おもしろいはずである。

ワケの分からない素人をここに放り込むのは、本当に意図が読めない。番宣のようにも見えなかったし。

 

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高橋維新(たかはし・いしん)弁護士、コラム二スト。1987年、東京生まれ。2006年、東京大学法学部入学。2010年より「マヒ郎」のペンネームでファミ通町内会へ「ハガキ職人」として投稿を始める。現役ハガキ職人を続けながら、2012年に司法試験合格。2013年、弁護士登録(函館弁護士会)。ファミ通町内会長(第5代)。