<南三陸町の成人式>2011年の震災翌日に卒業式を控えていた中学3年生たちが成人式

社会・メディア

榛葉健[ テレビプロデューサー/ドキュメンタリー映画監督]
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2011年の震災の発生以来ご縁を頂いている宮城県南三陸町で、10日に行われた成人式。震災翌日に卒業式を控えていた当時中学3年生の皆さんが成人になる年なんですね。
テレビのニュースで紹介されたミニドキュメントに登場したのは、映画「うたごころ」に協力して下さっている地元の写真店主でカメラマンの佐藤信一さんの息子さんでした。
佐藤さんは、自宅と店を失いながらも、甚大な被害を受けた町と人々の再起を図る姿を、温かい目線で撮り続け、写真集「南三陸から」のシリーズを出版されている方です。その中の一つ、傷だらけの集合写真は、佐藤さんが卒業生にサプライズでプレゼントしようとポスターサイズにして準備していたもの。
1枚きりの写真は津波で流されたのですが、ぐちゃぐちゃになった破壊の爪痕の中から奇跡的に見つけ出し、息子さんが泥を丁寧に取り除いたのです。

汚れが残る集合写真に映る当時15歳の少年少女100人弱。息子さんも映っています。
佐藤さんは写真集の中で、「5年後、成人となった君たちが、この坂で再会することを願う」と書いていました。
そして5年。テレビのニュースで息子さんは、成人式で同級生のみんなと再会できたことを喜び、「みんなに、この先、町に戻って来るか聞きたい」と話していました。あの年、中学校を卒業したそれぞれの5年間。いろんなことを想いながら、大人になっていくんですね。
成人式を迎えた皆さん、おめでとうございます。未来が、光り輝くものでありますように。
 
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