<女性排除と利権?>女性会員を認めない東京五輪ゴルフ会場「霞ヶ関カンツリー倶楽部」
保科省吾[コラムニスト]
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繁華街の居酒屋で「外人入店お断り」と看板を出していたら、たちまち問題になって賛否両論。どちらかと言えば「こういった看板」は、はずすべきだと言う意見が多くなるのが今の日本である。
霞ヶ関カンツリー倶楽部が、女性を正会員として認めていないことは、これと同種の問題なのではないだろうか。霞ヶ関カンツリー倶楽部は「居酒屋ではないし、外人ではない」という人は想像する力が足りないだけである。
NHKニュースによれば、2020年東京オリンピックのゴルフの競技会場になっている埼玉県川越市の霞ヶ関カンツリー倶楽部が、女性を正会員として認めていないことに対して、IOC(国際オリンピック委員会)が改善を求めていることについて、同倶楽部は7日に理事会を開いて対応を検討したが結論は出ず、持ち越しとなった。
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理事会は非公開で行われたが、関係者によると、出席者からは「女性を正会員として認めないのは今の時代にそぐわない」という意見が出る一方で、
「会員制なので会員のそれぞれの意見も聞くべきだ」
といった意見が出された。 すぐに規約改正にならないのが不思議だが、ウチの倶楽部でオリンピックなど、やらなくてもよいという意見が噴出するのは想像に難くない。霞ヶ関カンツリーはもともと頼まれてオリンピック会場になるのを承諾したという。
霞ヶ関カンツリー倶楽部の木村希一理事長は理事会のあと、
「女性の正会員を認めるかという問題について、理事全員から意見を聞いて今後の対応を協議した。私たちはオリンピックの会場を貸す立場で、このような状況となっていることは迷惑だし困惑している」
と話した(NHKニュースより)。
こうしてみてくると、女性会員排除云々(デンデンとは読まない)ということが表面的には問題になっているが、そこから透けて見えるのは「背後にある利権」ではないのか。なにやらゴルフ会場選定にからんだ利権の匂いがプンプンしてくる。
霞ヶ関カンツリー倶楽部は、会場になれば会員権の値段は上がるだろう。だが、そんなセコいことはどうでもいいから倶楽部の閉鎖性を守れと言う、保守的な会員も多いだろう。
女性排除と利権の匂い。
ゴルフというスポーツの暗黒面が白日にさらされたという感じがする。そもそもが、ゴルフのようにメジャー大会(マスターズ・トーナメント、全米オープン選手権、オープン選手権PGA選手権)のある競技は、オリンピックでやる必要はないのではないか。
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