吉村大阪府知事、勇気を出して「万博」の中止を
山口道宏[ジャーナリスト]
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メタン1日1トン噴出・爆発事故、炎天下の児童無料招待、パー券もどきの前売り券、入場券が「ふるさと納税」の返礼品?
府内自治体からも抗議と不安が続出、やっぱり儲ける△通と○○建設という噂。連日のようにこんな「問題」が報じられるのに、いまだ「やめる」といわ(え)ないか、吉村大阪府知事だ。「イソジンが効く」とコロナ対策では失笑をかった同知事だったが、今度も見当違いだ。いまや関西・大阪万博(「万博」)の応援団は大阪維新の会創始者で元大阪府知事・市長の橋本徹氏と辛坊ラジオの辛坊次郎氏の2人くらいか。
近年、大阪メディア界は「維新天下」にモノ言えずにいるらしい。OBのひとり大谷明宏氏からは「維新批判はタブー視され、ヨイショばかりの風潮に蔓延っている」(ジャーナリスト/元・大阪読売記者)と手厳しい。在版メディアへの危機感が伝えられる。
いまさらながら、「万博」より「くらし」だ。
「万博」は国策だから莫大な国民の税金投入があるが、大阪府市民の税金は開催自治体だから加算が予定される大イベントだ。ところで、大阪府といえば生活保護受給率(2018年)は3.18%で48都道府県中第1位、また介護保険料の月額9249円(大阪市)は全国自治体比で日本一の高額(2024~2026年度)で知られる。
[参考]都知事選「掲示板ジャック騒動」に便乗するアンチ活動家たち
これだけでも、急務の大阪府政は、生保者への生活支援・就労支援であり、件の「2億円トイレ」より介護保険料の引き下げこそやるべき、は子供だってわかる。「万博」に掛ける費用は会場や日本館の建設、警備費で直接に使う国費は1647億円、これとは別に地震、浸水対策など関連インフレで国・自治体・民間で約9.7兆円(政府発表2023.12)。これだけで驚愕の数字だが、さらに「追加」が報じられている。
吉村知事は、それでも「一発逆転」を狙うのか。
莫大なお金の行方は、今回の「万博」より、その後に予定される同空間を含めて使用の「カジノ」頼みか。はっきり言おう。バクチでひとは生きていけない。大阪のこどもに何を残すのか。
吉村知事! 勇気を出して、「万博」もうやめるっきゃない!
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