<過労死防止法の施行から1ケ月>進む弱肉強食と一層の格差拡大に「無力化」が懸念

政治経済

山口道宏[ジャーナリスト]
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過労死等防止対策推進法(「過労死防止法」2014年11月1日)が施行されて1ケ月。
12月のとある日、各地で過労死の遺族らによる集会が持たれた。それは過労死防止法の完全実施から、過労死の根絶を目指すことが目的だった。
「アベノミクス」は一層の弱肉強食と格差拡大を呼んでいるだけに、当初から同法の無力化が懸念されていた。現状で非正規雇用者が全労働者の4割近くを占めている。若年労働者では「一生が非正規で始まり非正規で終わる」といったことさえ真顔で語られるようにさえなっている。
やむを得ざる長時間労働や抵抗できないパワハラなどから、若くして身体はボロボロに。心の破壊に至れば、職場復帰どころか、社会復帰も危うい。
一方、「インターバル制度」(24時間うち最低連続11時間休息義務化)や「ホワイトカラーエグゼプション」(労働時間不問・成果主義支払い制)といった新たな主張もあるが、そもそも動機が不純だ。それらは規制緩和に端を発した新たな経営者論理に他ならないからだ。
被害者とその家族によって先の運動は始まった。いわば「遵法闘争」だ。モノいえる雰囲気の醸成に、また勇気ある告発にマスコミはこぞって応援をしなくてはいけない。
 
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