<編集者インタビュー>デイモン・ベイ著「日本人の知らない美しい日本の見つけ方」


尾藤克之[経営コンサルタント]

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訪日外国人が増加しています。週末ともなれば、人気スポットには観光バスで乗り付けた多くの外国人観光客が詰めかけます。

日本政府観光局(JNTO)によれば、2014年の訪日外国人は、1,300万人に達しており、この5年間で約2倍に増えたことがわかります。外国人向け日本情報サイト「japan-guide.com」によれば、人気スポットとして東京は1位ですが、嫌いな都市にもランクインしています。

富士山、日光、箱根のような観光スポットには根強い人気がありますが、都会の喧騒を離れた地域も人気も高まっているようです。 「日本人の知らない美しい日本の見つけ方」(サンマーク出版)は、ニュージーランド出身の写真家・教師である、デイモン・ベイ氏による珍しいフォトエッセイ集です。

今回は、担当編集者でもある、サンマーク出版の金子尚美編集長に読者に伝えたいポイントについて伺ってみました。

●実は新たな企画でした

—企画意図と、外国人は日本の何が好きかを教えてください。

[金子尚美編集長(以下、金子)]日本に来る外国人が増加えていますがやはり観光地は人気です。今回は観光地ではなく、日本人も気づかなかった素晴らしさを発見したいと思いました。ごくありふれた日常の中に存在する美しさや素晴らしさを見つけたかったのです。

日本人以外の感性が必要になりますから、カメラマンとして日本に精通しているデイモン・ベイ氏に依頼をしました。単なる写真集では新奇性がありませんから、サイズは文庫本にして、写真+エッセイ(解説)を盛り込むことで臨場感を持たせるようにしました。

編集の際に、世界各国と日本とを比較したのですが、改めて日本の素晴らしさを認識できたように思います。例えば、日本は治安が良くて安全です。世界各国と比較しても犯罪率は低く、夜中に普通に外出できる国は日本くらいです。

また外国人には「日本は落し物が戻ってくる奇跡の国」としても知られています。コンビニなどの普及の影響もあると思いますが、24時間オープンしているお店が非常に多いことも特徴でしょう。レストラン、ガソリンスタンド、ドラッグストアは、全国のいたる場所にありますからやはり便利で恵まれている国だと思いました。

●いままで気がつかなかった日本を発見する

—一方で、文化や習慣などに違和感を感じた方は多いのではないでしょうか?

[金子]日本では謙遜とか奥ゆかしいと思われることも、外国人には理解しがたいことが少なくないと思います。電車を例にするなら日本ほど正確に時刻表どおりに運行している国はありません。

ところが日本人は予定時刻を5分遅れてもイライラして、駅員も頭を下げて丁重にお詫びをしながら遅延証明書を発行します。そんなにせっかちにならなくてもと外国人の方は思うのではないかと思います。

カナダのトロントでは地下鉄とバスには時刻表が存在しないそうです。朝のラッシュ時であれば地下鉄もバスも5分か10分待っていれば来るから必要がありません。

また地下鉄に限らず電車はすぐに緊急停車します。架線の状態が悪くて数十分動かないことは日常茶飯事みたいです。そんな生活に慣れている外国人にとって、ドア数や車両数をアナウンスして停車位置にピタっ!と停まる光景は、せっかちに見せるかも知れません。

今後も、円安、ビザ緩和によって外国人の旅行客は増加してくると言われています。こんな時だからこそ、いままで見過ごしていた日本の素晴らしさに気がついて欲しいと思っています。

—ありがとうございました。

 

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尾藤克之(びとう・かつゆき)経営コンサルタント。東京都出身。衆議院議員秘書、大手コンサルティングファーム、IT系上場企業等の複数の事業会社の役員を経て現職。障がい者と健常者の共同生活によりボランティアスピリットを培うための社会貢献事業(アスカ王国)をライフワークとしている。埼玉大学大学院博士課程前期修了(経営学修士、経済学修士)