<「めちゃイケ」の手抜き番組はいつ終わる?>「27時間テレビ」の焼き直しばかりで構成された「めちゃイケ」


高橋維新[弁護士]

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2015年8月29日放映のフジテレビ「めちゃ×2イケてるッ!(以下、めちゃイケ)」について書いてみたい。

「27時間テレビ」明けの「めちゃイケ」は、1週休んで「大久保佳代子マラソン」の焼き直し企画。その後2週休んでの今回が、「岡村隆史ダンス」の焼き直し企画である。

正直、手を抜いているとしか言えない。さっさと、完全新規の回を放映すべきである。

今回も、一応新規の映像はあった。岡村とメンバーが絡む模様と、美女たちからのインタビューを撮る映像である。

全体の構成としては、「27時間テレビ」の放映後にモテるようになったという触れ込みの岡村が、「27時間テレビ」における自らのダンス企画の映像を振り返りながら、スタジオの美女と絡む模様とインタビューに出てくる美女から褒められる模様を放映するというコントであった。

笑い所は、岡村という「チビでサル顔のおっさん」がモテて調子に乗っている様子と、そんな岡村を不釣り合いに褒めまくる美女たちのインタビューである。

まず後者についてだが、表面上はみな本心から岡村を褒めているような映像であったため、それが「おかしい」と気付けないと笑いにつながらない。美女たちは岡村が「ワイルド」だとか、「岡村の汗ならキレイ」だとか、「あのときの岡村にならパンツぐらいは見せる」などと明らかにおかしいことを言い続けている。

しかし、みんな本心から言っているような芝居をしているため(番組でも指摘していたが、彼女たちは明らかに仕込みであり、本当に街頭インタビューをやって捕まえた素人ではない)、慣れた人でないとおかしいと気付けず、笑えないのである。

この点は、完全にめちゃイケお得意のドキュメンタリーコントの特徴が出ている。

これをおかしいと気付かせるのは、スタジオでインタビュー映像を見ていた矢部や加藤の役目なのだが、「何を言うてんねん」とか「仕込みだろう」とか「同じ人が何回も出ている」だとかツッコむのが少々遅かったように感じる。

確かに、本チャンのダンス企画においても、EXILEやSMAPとのコラボレーションなど、明らかに岡村を「カッコいい」ものとして演出していた部分があった。そして今回の放送も最初の方はこの「カッコいい」部分を取り扱っていたため、初めから「仕込みだろう」とツッコミ過ぎると、このへんも「カッコよくない」ことになってしまうという事情があったのである。

「岡村とEXILEとのダンスを『カッコいい』と褒める女性」に「おまえは本心から発言していないだろう」と指摘すると、岡村とEXILEとのダンスもカッコよくはないと言うに等しいからである。そのため、矢部も加藤も、そして濱口や紗理奈や後藤も、最初の方はツッコミを控えていた。

結果、いつも言っていることではあるが、今回番組がやろうとしたコントは全体的に非常に中途半端な仕上がりになっていた。最初はインタビューに答える女性の発言が放置されていたのに、あとから矢部や加藤がだんだんとツッコミを入れるようになったため、視聴者としては岡村をカッコいいと思えばいいのかバカにして笑えばいいのかがよく分からなかったのである。

この問題は、そもそも「27時間テレビ」本番のダンス企画が「カッコいい」と「おもしろい」の混ざった中途半端なものだったというところに起因しているので、今回限りの話ではない。

これは、EXILEやジャニーズみたいな「笑われる」ことを避けようとする連中と付き合っているとどうしても生じる問題である。度が過ぎるようであれば、切ることも考えねばならない。筆者は既にEXILEは度が過ぎていると感じているが。

(※ジャニーズに関しては、グループごとに違いはあるが、岡村とよく絡むSMAPは、そもそも「コントをやるジャニーズ」として売れたグループなので、笑われることには比較的寛容である。なのでEXILEよりは幾分マシである。)

次に、もう一つの笑い所であるスタジオでの岡村と美女の絡みだが、岡村が緊張して遠慮しすぎだったのであまりコントとして成立していなかった。もっとガツガツいかないと「チビでサル顔のオッサンが美女とチャラく絡んでいる」というズレが生まれない。岡村はもっと周りの美女を触るべきだし、もっと突っ込んだ発言をすべきである。

なぜこうなったのかを鑑みるに、単純に岡村がこういうのに慣れていないのだろう。今までの人生であまりモテておらずチャラい遊びもしてこなかった岡村は、美女に対して遠慮がちになってしまうのである。こういうところでガツガツいくのはとんねるずが得意である。

最後にオチについて。

「27時間テレビ」本番のモー娘パートで、岡村が脱ぐべきズボンの下にはいていた衣装のスカートも一緒に脱いでしまい、そのパートを通してパンツ一丁の状態になってしまうというハプニングが起きていた。

岡村は、このハプニングをもう一回検証するという触れ込みで、本番と同じようにスカートとズボンをはき込んで、また衣装替えを試みる。

ここまでで、今度はパンツも脱いで全てを開陳するのだろうなという予想はできる。ただ実際には、1回目は本番と同じようにパンツを残し、2回目も半ケツ状態で前はパンツで隠れていた。

3回目にようやく前も御開陳になったのだが、筆者は最初から前まで全部御開陳で良かったのではないかと思っている。2回目はともかく、1回目は「27時間テレビ」と全く同じなので、もう一度やる意味がない。フリ(http://mediagong.jp/?p=7899)だったのかもしれないが、フリは「27時間テレビ」で起きたハプニングを説明するだけで十分だった。

あとは、一緒にスタジオにいた美女たちが悲鳴を上げるリアクションが撮れないとオチとして綺麗ではないが、配置的に彼らは岡村の背後に回っていたため、リアクションがとりにくそうな感じがあった。

彼女たちも芸能界で生きる海千山千のタレントであるため、ケツを見ただけでは十分にリアクションをとらない危険性がある。事前にスタッフがリアクションを指示しておけばいいのだが、岡村の「前」を実際に見たときの自然なリアクションの方が価値は高い。

かといって岡村を彼女たちに向けると今度はカメラにケツしか映らず、視聴者に何が起きたかが分かりにくい。岡村のケツだけが出ても、半ケツになっただけで前は出ていないのか、それとも前も出ているのかがパッと見すぐには分からない。

もっと、全体の配置を工夫すべきだったろう。

以前に放映された似たようなコントで記憶にあるのは、岡村と見ている方が向き合って、それを横から撮るという配置である(岡村が銭湯の様な広い風呂でJ Soul Brothesのメンバーと絡んでいたコントだと記憶している)。

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高橋維新(たかはし・いしん)弁護士、コラム二スト。1987年、東京生まれ。2006年、東京大学法学部入学。2010年より「マヒ郎」のペンネームでファミ通町内会へ「ハガキ職人」として投稿を始める。現役ハガキ職人を続けながら、2012年に司法試験合格。2013年、弁護士登録(函館弁護士会)。ファミ通町内会長(第5代)。