<棄てられた年金>国が「年金」を原資に株式投資で10兆円の損失


山口道宏[ジャーナリスト]

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「消えた年金」「漏れた年金」の次に、とうとう「棄てられた年金」の登場だ。

国が「年金」という浄財を株式にあて、大損をしている。今年になってすでに約135兆円を市場につぎ込んでいるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の含み損は10兆円を突破したという。

国民のなけなしの金を原資に、バクチに近い債券に投入する。それが現政権である。国が堂々と年金泥棒をしている。冗談じゃない。時の大臣では責任をとれようはずもないことなのに。

ちなみに、自営や農業等が加入する国民年金の支給上限が「1ケ月6万円程度」ということをご存知だろうか。そこから住民税が、健康保険料が、介護保険料など天引きされるので、残りは「4万円」ほどになる。

家賃負担があったなら、もはやお手上げだ。4万円の年金でもどうにもならない。賞味期限切れの野菜と弁当の「下流老人」は他人ごとではない。

さらに、なにが「軽減税率」だろう。そもそも消費税10%が「?」のはずが「アレが8%で、コレが10%」の線引きごっこに国民は嵌められた。新年度からの消費税アップはカウントダウンである。

100円ショップで108円が110円になるだけではない。家賃も、電気もガスも水道も、医者代も介護料も、塾代も、トイレットペーパーも、米も味噌も醤油も野菜も魚も肉も、日常消費の多くの品が値札の変更を待っている。

税は社会福祉の充実と言うが、なんら見えてこない。一方で、国が堂々と税金泥棒をしている。悪代官を懲らしめるのはやっぱり「選挙」しかないのか。

 

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山口道宏

山口道宏(やまぐち・みちひろ) ジャーナリスト、星槎大学教授、NPO法人シニアテック研究所理事長