オバマ大統領の広島訪問を「LIVE」で見ることの意味[茂木健一郎]


茂木健一郎[脳科学者]

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5月27日のオバマさんの広島訪問の時間、私たちはゼミをしていたが、NHKがニュースをwebで同時提供してくださったので、それをプロジェクターで映して、一部始終を見ていた。歴史的な出来事であり、たいへん感慨深かった。

このような出来事を「LIVE」で観ることの意味は、もちろん、臨場感や何がこれからあるかわからない、という緊張感もあるが(オバマ演説は結局17分あったが、始まってからも、どれくらいあるのか、続くのか、わからなかった)、それ以外にも大きな意味がある。

それは何かと言えば、後にニュースなどで編集され、解説がつけられて流される映像では、大切な何かが失われるからである。特に、特定の意味付けや、解釈、解説がつけられた映像は、もともとのイベントが持っていた触感のようなものがなくなってしまっている。

【参考】<素のままの感情表現>ベッキーの言葉がなぜ共感を呼んだのか[茂木健一郎]

「マインドフルネス」の考え方で言えば、その場で起こっていること、自分が感じていること、他の人が感じていることを、ありのままに、そのまま受け止めなければならない。LIVEの映像ではそれが可能であるが、編集されたニュース映像では、それが難しい。

編集の姿勢もある。今朝紹介したニューヨーク・タイムズの映像のように、何のコメントもなく、淡々と編集した動画ならば、もともとの雰囲気も伝わるが、キャスターがあれこれと解釈して見せる映像では、もとの雰囲気はすっかり失われてしまっている。

スポーツ中継でもそうだけれども、元々の素材として映像、画像に、ごたごたと解釈を付け加えたコメントは、往々にして邪魔になる。マインドフルネスの視点からは、むしろ、コメントは少ない方がいい。昨日のオバマさんの訪問でも、そのことを思った。

スポーツ中継でもそうだけれども、元々の素材として映像、画像に、ごたごたと解釈を付け加えたコメントは、往々にして邪魔になる。マインドフルネスの視点からは、むしろ、コメントは少ない方がいい。昨日のオバマさんの訪問でも、そのことを思った。

(本記事は、著者のTwitterを元にした編集・転載記事です)

 

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茂木健一郎

茂木健一郎(もぎ・けんいちろう)脳科学者。株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所上級研究員。1962年10月20日、東京生まれ。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程終了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を出て現在に至る。「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして脳と心の関係を研究するとともに文芸評論、美術評論にも取り組んでいる。