シン・ゴジラが「ダメな続編」にならなかった8つの理由

映画・舞台・音楽

保科省吾[コラムニスト]
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ものすごく遅ればせながら、「シン・ゴジラ」を見た。公開から1ヶ月近くたってもなお評判は高く、筆者が観覧した日も、満員で一番前の席しか取れなかったぐらいだ。
【参考】観ていない人の妄想を膨らませる「シン・ゴジラ」の百聞
「シン・ゴジラ」については、さすがに色々な角度からの評も既にたくさん出ているので、あえて映画評をしようとは思わない。ただ、この映画が、有名作品シリーズにありがちな、いわゆる「ダメな続編」にならなかった理由について、気がついたことを列挙してみたい。

(1)出演者にジャニーズタレントを起用しなくても良かったところ。

(2)いわゆる「大物っぽい」「主役っぽい」役者を使わなかったところ。

(3)永田町や霞ヶ関、官僚と政治家の取材を綿密に行って脚本をおこしていたところ。

(4)ゴジラのメタファーを勝手に思いついてしまう時期に完成、公開したこと。

(5)ゴジラが東京スカイ・ツリーをこわさなかったところ。

(6)ガキ目当てに作ってはいないところ。

(7)新幹線爆弾に、在来線爆弾。きちんと荒唐無稽をやっているところ。

(8)石原さとみが英語を喋る度にむずがゆくなったところ。

簡単そうにみえて、難しいポイントを数多くクリアしている「シン・ゴジラ」。これであれば、やはり「ダメな続編」にはならないだろう。
 
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