<高まる「日本を取り戻す」確率>「政策選択」が次期衆院総選挙の本質だ – 植草一秀


植草一秀[経済評論家]

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2017年の通常国会が1月20日に召集される。

* 天皇譲位問題
* 共謀罪創設案
* 家庭教育支援法

などが審議される。

安倍政権は「数の力」で不当な主張を押し通す傾向を顕著に示しているため、強い警戒が求められる。主権者は主権者の意思を正確に反映する議会の議員構成を実現しないと大変なことになる。

昨年も安倍政権は漂流が決定的になったTPPについて、日本の国益を損ねる強行批准に突き進んだ。市民と市民の側に立つ政党や政治家が連帯して反対運動を展開し、意義ある成果を生み出したが、権力を握る側が「数の力」で暴論を押し通せば、対抗するのは難しい。

民主主義は最後は多数決で決めるという方式を採用することが多いが、重要なことは建設的な議論を尽くすことである。安倍政権には反対意見に真摯に向き合うという誠実さが欠けている。

主権者は主権者の意思に沿う政治を実現するために、選挙で勝たなければならない。選挙で勝利し、主権者の意思に沿う政治を実現する議員に議会の過半数議席を占有させることが必要だ。明確な意識を持って、これを実現しなければならない。

元旦の各紙に次期総選挙の立候補予定者リストが掲載された。主権者は次の衆議院総選挙に焦点を当てなければならない。

安倍首相は1月解散、2月総選挙の構想を有していたと思われるが、安倍外交が惨憺たる状況に陥っているため、1月解散を回避する可能性が高まっている。昨年は7月10日に衆参ダブル選を実施する構想を有していたが、当落予想が厳しいものになったため、これを断念したと見られている。

時間が経過すればするほど、安倍政権を取り巻く環境は悪化すると予想され、主権者にとっては、「日本を取り戻す」確率が高まると考えられる。

共謀罪創設の本質は、

<刑事訴訟法改定+共謀罪創設=新治安維持法>

であり、家庭教育支援法案は、

<国家による「思想及び良心の自由」への侵害>

である。

安倍政権は日本を戦前に引き戻す行動を加速させている。手遅れになる前に安倍政権を退場させ、主権者の意思に沿う政権を樹立しなければならない。次の総選挙の主題は、「政策選択選挙」である。主要政策問題について、「主権者が判断を下す選挙」にする必要がある。
重要なのは政策であって、政党ではない。「政党選択選挙」ではなく「政策選択選挙」である。

滋賀、鹿児島、新潟の知事選は「原発」に関する「政策選択選挙」になった。沖縄の知事選は「基地」に関する「政策選択選挙」になった。

次の衆議院総選挙は、

「原発」「戦争」「格差」

に関する「政策選択選挙」とする必要がある。本来は、この「政策選択」と「政党選択」が重なることが望ましいが、野党第一党の民進党の政策が曖昧であるため、「政党基軸」の選挙は選択できない。したがって、「野党共闘」に多くを期待できない。

重要なことは、「主権者が主導」し、「政策を軸」に、「党派を超え」て、選挙に対応することである。

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植草一秀(うえくさ・かずひで) 1960年、東京生まれ。経済評論家(日本経済論、金融論、経済政策論)。東京大学卒業後、野村総合研究所、大蔵省財政金融研究所研究官、京都大学経済研究所助教授、野村総合研究所主席エコノミスト、早稲田大学大学院公共経営研究科教授、名古屋商科大学客員教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役社長。