<もう実現してる?>AI(人工知能)とESP(超能力)の類似点


高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事]

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筆者は1980年代から、90年にかけていわゆる超能力(ESP:Extra Sensory Perception)の番組をいくつも構成した。その際、現場で目の当たりにしたのガ透視能力 (クレヤボヤンス)、念動力(サイコキネシス)、瞬間移動(テレポーテーション)ダ。

透視能力を持つ少女は、図形や文字を紙片に書いて見えぬように折りたたみ、それを指ではさむことで読みとった。

念動力は清田益章の「スプーン曲げ(切断)」である。筆者の左隣に座った清田が行為を始めると、スプーンの頸部にツツツと破線が走り、スプーンは折れてテーブルに落ちた。もちろん清田はスプーン頸部に一切触っていない。

瞬間移動はある芸能人の娘である。右手に握ったコインを左手にテレポートさせた。

これら、現象は筆者の目の前で行われた。そして、少なくとも行為者本人は「トリックは使っていない」と述べたので、行為者本人の人格を信じている筆者としては、これらが起こったことを信ずる。信じざるをえないと言い換えても良い。

このところ、人工知能(AI:Artificial Intelligence)が長足の進歩を遂げ第3次とも言えるブームになっている。

筆者はこの人工知能と超能力には類似点があると感じている。最も似ているのはブラックボックスの存在である。たとえば、人工知能はチェス・碁・将棋などあらゆるボードゲームで人間を凌駕した。しかし凌駕したと言う事実はあるが、なぜ凌駕したかはプログラムを書いた開発者自身も答えられない。

一方で、超能力も現象はあるが(ないと主張する人は措くとして)ナゼできるのかはブラックボックスなのである。

【参考】CG全盛の現代にコンピュータ処理をしない「CGみたいなアート」が面白いhttp://mediagong.jp/?p=17350

人の心(脳)もまた、今のところブラックボックスである。たとえば脳が命じて右手を動かそうとする。順序は脳→右手だと通常考えている。しかし、最新の脳科学の研究では、右手を動かす時の脳の部位が発火する直前に右手が動いているのだ。右手→脳なのである。悲しいから涙が出るのではなく、涙が出るから悲しいとも言える(ジェームズ・ランゲ説)。

人工知能はニューラルネットワークと呼ばれる、脳神経系をモデルにした情報処理システムによってくみ上げられるアルゴリズムである。学習能力を持ち、必要とされる機能を、提示されるサンプルに基づき自動形成することができる。 文字認識や、音声認識など、コンピュータが苦手とされている処理に対して有効だ。だがこの脳の(心の)模倣である人工知能は今のところ、脳全体が分かっていないのに(ブラックボックスなのに)脳のように動く。脳以上に動く。

人工知能で何が出来るようになるかは筆者のような門外漢には予測が付かない部分が多い。ただ、今できることとして、絵画の模倣がある。たとえばレンブラントの絵画を繰り返しスキャンして学習することで、筆遣いや、絵の具の質までを解析し3Dプリンタで,この世には存在しないレンブラントの絵画をつくることが出来る。今できる現象を聞いただけでも未来はすさまじいことになるのではないかと思ってしまう。

では様々な超能力はAI・人工知能で可能になるのか。

*「テレパシー」は最も有望だろう。脳を無線のWi-Fiにすれば良い。

*「透視」はすでに実現している。CTやMRI。言うまでもなく今でも出来る。

*「予知」も可能だ。たとえば将来がんになる人も、将来離婚するカップルも見抜く、これは予知に他ならない。

*「念力」は、今のところ、ちょっと想像が付かない。

*「サイコメトリー」は、現場に残留した人が感知できない情報を読み出す能力だが、これは、人工知能で可能のような気がする。

*「瞬間移動」は、人工知能の対象ではないので、ちょっと出来なさそうだ。

*「物体取り寄せ(アポート)」はインドのサイババなどがやるが、これは結局、手品だからAIにもESPにも関係ない。

 

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