<芸能界も危険水域>薬では安心できないインフルエンザ


池内克彦[医師/サンタキッズ&ファミリークリニック院長]

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年末からインフルエンザ流行の拡大がとまりません。テレビをつければ、インフルエンザ拡大のニュースばかりか、出演しているタレントさんたちもバタバタと倒れ、「番組欠席」になっている事例が目につきます。

筆者が知るだけでも、

*海老原優香アナウンサー「とくダネ!」(フジ)

*TOKIO・国分太一「ビビット」(TBS)

*NEWS・小山慶一郎「news every.」(日テレ)

*タレント・望月理恵「ズームイン!!サタデー」(日テレ)

などが、インフルエンザによる番組欠席をしています。また、モデルのローラさんも「人生初のA型インフルエンザに感染」をSNSで報告しています。アイドルグループ・BiSにいたっては、メンバー7人のうちなんと4人までもがインフルエンザを発症。コンサートが中止になっています。芸能界でも今やインフルエンザ危機にあると言えます。

それもそのはず。1月19日段階の国立感染症研究所の発表によると、1月14日までの1週間に注意報レベルとされる10人を超え定点当たり26.44人とで、全都道府県で注意報レベルに達しました。現在のインフルエンザ患者推定数は約171万人。全都道府県で前週よりも患者数は増加しています。

毎年、必ず流行するインフルエンザ。予防接種、治療薬があるものの、インフルエンザは毎年流行し、その恐怖から逃れることはできません。

インフルエンザにかかると最初に鈍器で殴られたような頭痛や全身の痛み、そして何か嫌な予感がする不快感を自覚します。実際、「人生初のA型インフルエンザに感染」したモデルのローラさんは、自身のTwitter(@RolaWorLD・1月6日)で体が痛いことを訴えています。

インフルエンザウイルスは、のどや気管支の粘膜から侵入し、粘膜細胞内で増殖を開始します。すると侵入者に気づいた粘膜細胞は、インターフェロンというSOS物資を血液中にだします。このSOSサインを血液中のマクロファージや白血球が受け取り、感染した細胞の周りに集まり、感染細胞を駆除していきます。

軽い感染なら、ここで何もなかったかのように治っていくのですが、免疫力が落ちていると、ウイルスを駆除しきれずにウイルスは増殖のスピードを速め、細胞内で複製されたウイルスがどんどん細胞外に出ていき、全身へとインフルエンザウイルスが広がっていきます。

そこで体内では、体温を上昇させ、抗体を作り、ウイルスの弱体化及び駆除が全身でおこりウイルスが減りはじめます。やっと炎症性が沈静化し、熱も下がり、だるさも改善するのは、感染から7、8日経ってからです。この時点になると、からだが楽になったと感じるようになります。

しかし、インフルエンザの峠を越し、ホッとしている時、からだは戦後の焼野原のようになった組織の修復が急ピッチで行われています。修復に人手が取られ、手薄な状況の時、今までおとなしかったはずの細菌が、これを機会に攻撃を開始。肺炎、中耳炎などの2次感染を起こすことになります。沈静化に向かっている段階でも油断できないのがインフルエンザなのです。

2次感染を起こさず、組織が修復されると、めでたくインフルエンザから完治したということになります。ここまで1、2週間かかります。インフルエンザに感染したテレビの出演者を始め職場や学校での欠席が長引きがちなのはそういった理由があるのです。

私たちの体は、様々な免疫反応が起こることで、守られているわけですが、もちろん、みなさん薬の利用も欠かしません。むしろ、薬が唯一の治癒方法と思って、インフルエンザには薬があるから・・・と、病院に行き、処方してもらうことが一番(唯一?)の安心という人は多いでしょう。しかし、本当に薬を飲めば、大丈夫なのでしょうか?

実は、大丈夫だとは言えないのです。

現在主流の抗インフルエンザ薬は、細胞内で増殖したウイルスが細胞の外に出ていくことを抑える働きをしています。ですから、細胞外に出て全身に広がったウイルスには効果はありません。またワクチンは、血液中のウイルスに効果を発揮します。現在の治療は感染が広がるのを食い止めますが、感染したウイルスそのものを駆除しているわけではなく、根本治療ではないのです。

インフルエンザにならないためには、細胞内に侵入したウイルスが増殖するのを防ぐこと。つまり、細胞自体の免疫力を高めることができれば、より早い段階で治療することができます。

細胞がウイルスに感染すると、細胞自体も元気が出ない状態になっています。人もそして細胞も生きるためのエネルギーが必要です。この生きるエネルギーのことを東洋医学では「気」と呼ばれているものです。

ここからは筆者の西洋医学を学んできた現役医師としての持論なのですが、この東洋医学の「気」に、インフルエンザのようなウイルスに強い体を作る重要なヒントが隠されていると考えています。

病気になると全身の生きるためのエネルギーが細胞レベルから落ち、免疫力も落ち病気が進行していきます。この時、「気」つまり細胞のエネルギーを高めることで、免疫力および自己治癒力を高め、病気にならない強い体を作ることができます。

これまでにも「気」という概念はあったのですが、実際どのようなものかはわかりませんでした。筆者もその一人です。しかし、最近の東洋医学や「気」に対する研究も進み、「気」というものが、波動やエネルギーとしてとらえることができるようになっているそうです。これは西洋医学に携わる医師の目から見ても興味深いことです。

例えば、ウイルスが細胞内侵入した時、侵入された細胞のエネルギー、つまり波動が乱れます。その時、そのエネルギーの乱れをキャッチし改善することができれば、細胞の免疫力が最大限を引き出したり、ウイルスに対する駆除力を高められることができるわけです。

医師である筆者にとっては、西洋医学の限界と向き合わないといけない場面に出くわすことがあります。インフルエンザが流行する時期になると、予防接種が花盛り、病院には患者が列をなします。テレビをつければ、レギュラー出演者たちの欠席が多発し、楽しみにしていたコンサートや舞台の中止が連発します。

体が資本のタレントさんを始め多くの方々は、念には念を入れて予防接種を受けたり、投薬を受けていたはずです。にも関わらず、この惨状は驚くべきことです。

芸能界も危機に陥るほどインフルエンザ大流行している今だからこそ、体や医療のこれからを考えたいものです。

 

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池内克彦(いけうち・かつひこ)医師。山口県防府市「サンタキッズ&ファミリークリニック 」院長。昭和40年4月27日、北九州生まれ。平成5年4月、山口大学医学部卒業し、九州大学医学部付属病院、福岡市立こども病院、国立別府病院、国立小倉病院、北九州市立医療センターなどに勤務。平成14年4月、山口県防府市で和田内科・池内こどもクリニックを開業。平成23年2月、防府市新田にサンタキッズ&ファミリークリニックとして移転開業。