安倍内閣もりかけ総辞職カウントダウンが始動 -植草一秀


植草一秀[経済評論家]

***

各社世論調査で安倍内閣の支持率急落が観測されている。

もとより、マスメディアの世論調査の信ぴょう性は低く、安倍内閣に関しては、実態よりも支持率が大幅に高く表示されているものと理解される。その世論調査において支持率が40%を切れば黄信号、30%を切れば赤信号ということになる。

山もりかけそば疑惑と表現してきたが、森友事案では時価10億円程度の国有地が安倍首相の近親者が経営する学校法人に実質200万円で払い下げられた事案である。典型的な政治腐敗の様相を示している事案である。

加計事案は、これまで認められてこなかった獣医学部の新設が、安倍首相夫妻の近親者が経営する学校法人に対して、正当なプロセスを経ずに認可されたと見られる事案である。これも典型的な政治腐敗の様相を示す事案である。

山口疑惑は、首相に取り入り、首相を持ち上げる著書を出版した御用ジャーナリストと呼ぶべき山口敬之氏が準強姦容疑で逮捕状を発付されながら、菅義偉官房長官音の秘書官を務めてきた中村格警視庁刑事部長によって、逮捕が執行されず、無罪放免とされた事案である。

日本の警察、検察、裁判所制度は腐敗し切っており、無実であるのに犯罪者にされる人物が存在する一方で、重大犯罪の実行者が無罪放免とされるケースが多数発生している。日本政治の崩壊、メルトダウンが進行しており、日本の主権者国民が、ようやく、その実態に目を向け始めたということである。

「安倍一強」などと喧伝されると、安倍首相および安倍自民党の力が突出しているとの誤解を招きやすいが、そもそも、選挙の実態は、安倍一強とは程遠い。

国政選挙では主権者の半分が選挙に行かない。そして、選挙に行く主権者の半分弱が自公に投票している。自民に投票している主権者は6人に1人、公明と合わせても4人に1人でしかない。自公以外の政党に投票している主権者は選挙で投票している主権者の半分強である。自公に投票している主権者よりは多い。

だが、その票が複数の非自公候補者に分散されるため、獲得議席数が著しく少なくなってしまっている。その結果、主権者全体において4人に1人の投票しか得ていない自公が国会議席の3分の2以上を占有するという状況が発生してしまっているのだ。

安倍政権はこの多数議席の上にあぐらをかいて、暴政を展開してきた。山もりかけそば疑惑は、安倍首相の政治私物化を象徴する重大事案であり、主権者国民は、こうした現実を直視して、直ちにこの内閣を退場させる必要がある。

安倍首相は内閣総理大臣の権能を濫用して、重要な国家機関をも私物化してきた。裁判所、日銀、NHKの私物化は目に余る。三権の分立は形骸化し、内閣総理大臣が独裁者として振る舞う傾向が鮮明になっている。

日銀、NHKの偏向も重大な状況にある。森友事案で安倍首相は昨年2月17日の衆院予算委員会で、

「私や妻がこの認可あるいは国有地払い下げに、もちろん事務所も含めて、一切かかわっていないということは明確にさせていただきたいと思います。もしかかわっていたのであれば、これはもう私は総理大臣をやめるということでありますから、それははっきりと申し上げたい、このように思います。」

「いずれにいたしましても、繰り返して申し上げますが、私も妻も一切、この認可にもあるいは国有地の払い下げにも関係ないわけでありまして、(中略)繰り返しになりますが、私や妻が関係していたということになれば、まさに私は、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめるということははっきりと申し上げておきたい。」

と明言した。この安倍答弁があったから公文書を改ざんしたのではないかと伝えられているが、実態は逆であると思われる。公文書を改ざんする方針を決めたから、強気が前面に出て上記の答弁になったのだろう。

「完全犯罪」を過信して饒舌過多になって怪しまれる刑事コロンボの犯人と酷似する行動を安倍首相が示したのだと思われる。安倍昭恵氏が国会で説明すれば、安倍首相の辞任は確定するだろう。野党は安倍昭恵氏の証人喚問が実現するまで一歩も引かない対応を示すべきだ。

3月30日午後4時から、衆院第一議員会館多目的ホールで、オールジャパン学習会「もういい加減にしろ!安倍政権」を開催する。一人でも多くの主権者国民の参加を求めたい。

植草一秀の公式ブログ『知られざる真実』はコチラ

 

【あわせて読みたい】

The following two tabs change content below.
植草一秀(うえくさ・かずひで) 1960年、東京生まれ。経済評論家(日本経済論、金融論、経済政策論)。東京大学卒業後、野村総合研究所、大蔵省財政金融研究所研究官、京都大学経済研究所助教授、野村総合研究所主席エコノミスト、早稲田大学大学院公共経営研究科教授、名古屋商科大学客員教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役社長。