<アヴリル・ラヴィーン、闘病からの復活>5年ぶりのシングル「Head Above Water」が公開

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藤井夏子[音楽ライター]

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この日を待ち続けていたファンはどれくらいいただろうか。シンガーソングライター、アヴリル・ラヴィーンの新曲「ヘッド・アバーヴ・ウォーター」が彼女の誕生日である9月27日に公開された。その後、ミュージックビデオ、米人気番組「ジミー・キンメル・ライヴ!」でのパフォーマンス映像と立て続けに公開された。

アヴリル・ラヴィーンはカナダ出身の34歳。2000年代を代表するアーティストの一人でることに異論はないだろう。しかし、2014年に発症したライム病により活動休止をし、一時期は死を覚悟するほどまでに病状が悪化してしまったそう。

ライム病は病原体を有したマダニにかまれることによって発症する感染病の一種。欧米では現在でも年間数万人のライム病患者が発生し、報告数も年々増加。日本でも今までに数百人ほどの感染者を出している病気である。

【参考】<万人受けは狙わない16歳>ビリー・アイリッシュ新曲「you should see me in a crown」

今回5年ぶりにシングルを発表したアヴリルだが、インタビューによると3年前から「Head Above Water」を含む最新アルバムの曲作りや準備に取り組んでいたそう。また、自身の経験を通して今まで以上に力強く、自身に正直な作品に仕上がっているとも語った。

サウンドはバラードロックでアヴリル=ロックというイメージを裏切らず、それに加えピアノやストリングス、コーラスで音に重みと深みを出している。特に曲の中で印象的だったのは「I’m too young to fall asleep」というところ。意訳すると「死んでしまうには早すぎる」ということになるが、これは力強く自分自身に言い聞かせ、また立ち上がるという意味も込められているのではないか。彼女の闘病生活と音楽に対する熱意が重なる。

今年中にアルバムを発売予定の彼女は今後メディア露出も増える事だろう。元気な姿でさらなる活躍に期待したい。

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