<鑑賞に堪える番組がない>アメトーーク「オリラジ同期芸人」は「ながら視聴」のための番組?

高橋維新[弁護士]
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2016年2月4日放映のテレビ朝日「アメトーーク」のテーマは「オリラジ同期芸人」。
オリエンタルラジオと同期の芸人5組(トレンディエンジェル・フルーツポンチ・はんにゃ・ニッチェ・三四郎)を集めて、彼ら彼女らのこれまでの芸人人生を話すというのが主な内容である。
同期の中では、飛び抜けた早さでブレイクしたオリエンタルラジオと、それを横目で見ていた他5組のルサンチマン溢れる自虐。その後失速して立場が逆転したオリラジと他5組。トークの重点はこのような同期芸人たちの関係の推移に置かれており、「ケナシ回」と考えていいだろう。それでなくとも、芸人たちの栄枯盛衰は十分に個人的な興味を魅かれるものではあったので、よしとする。
川島(はんにゃ)・たかし(トレンディエンジェル)・亘(フルーツポンチ)以外はみなしゃべれていたので、芸人としての及第点をあげられる。亘は、相方の村上の陰に隠れていることを宮迫から盛んにイジられていたが、もっと反発して喧嘩をしないと笑いが生まれないので、あんなにおとなしくてはダメである。
あと、「先輩芸人」という位置付けでMCの横に座っていた綾部(ピース)は、大してひな壇に絡めておらず、存在意義がよく分からなかった。
綾部は、ブレイクのタイミングでは後輩のオリラジに先を越された芸人であり、その点をフワッとイジられることで笑いが生まれていたが、あの程度ならいなくてもいいはずである。オリラジの同期たちのルサンチマンに乗っかって、もっと自分で「同期や後輩に先を越されることの悲哀」を積極的に語って良かったと思う。
欲を言うと、無茶苦茶おもしろいという程ではないので、これを見るためだけに番組を見るのは厳しさが残る。「夕飯を食べながら見る」「家事をしながら見る」などといった「ながら見」ぐらいでちょうど良いのかもしれない。
あるいは、「今から勉強をしないといけないのに」「この書類を明日までに仕上げなければならないのに」というような何かから逃避しなければならない状況でないと集中して見ることができない。もちろん、今のテレビで真剣に「見るためだけの鑑賞」に堪える番組は少数派なのだが。
筆者がこの番組を批評をしているのは、「アメトーーク」が「見るためだけに見る」ことに堪えるものだと期待しているからこそである。健全な批評があってこそ、一流のコンテンツである。
 
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