なぜ「めちゃイケ」は素人・三中元克を5年間も使い翻弄し続けるのか?


高橋維新[弁護士]

***

2016年2月20日放映のフジテレビ「めちゃ×2イケてるッ!(めちゃイケ)」は、新メンバーである三中元克をフィーチャーした企画となっていた。

前半は、これまでの三中企画をまとめなおした総集編であり、後半は、次週放映するであろう三中がプロの芸人になるための挑戦をまとめた「ドキュメンタリー」の頭出しである。

つまり、今回の放送は「他の回でやる内容を短くまとめ直したもの」であり、やらなくてもいい回に過ぎなかった。特に後半は、内容を端折り過ぎていて流れがよく分からなかった視聴者も多かったのではないか。

 

三中元克という出演者に関しては、色々と言いたいことがある人も多いだろう。

彼は、芸人になりたいという夢を持っており、そのうえで新メンバーとして「めちゃイケ」というバラエティ番組に出してもらえるという恵まれた立場にあった。しかしながら、オンエアでは「天然」や「素人」の部分でしか笑いをとれなかった三中は、全く芸人には向いていないと言えよう。

せっかくテレビの仕事としてみちのくプロレスにも行かせてもらったのに、二度にわたって逃げ出すプロ根性のなさも、彼がこの世界に入るべきでないことを示しているように思える。

三中に普段から接している「めちゃイケ」のメンバーやスタッフは、このことに早くから気付いていたはずである。それでも、新メンバーにしてしまった負い目があるからなのか、今までは何度も下駄をはかせて彼にフィーチャーした企画をやってきた。

ただ、「芸人」としてのパフォーマンスに期待できない彼にフィーチャーした企画となると、素人や天然の良さが出る「ドッキリ」か、長期に渡って厄介払いができる系の企画のどちらかになる。前述の「みちのくプロレス」や、「足柄サービスエリア」の企画は後者である。

そんな彼を、おそらく深夜の企画会議の「いいじゃん!いいじゃん!」のノリで新メンバーにしてしまったのに、大して使えないことが分かったら、本人の意思とは無関係に、足柄やプロレスに長期に渡って放り出す。逃げてきたら逃げてきたで、寄ってたかって「甘い」「だらしない」と責めかかる。こういうことをやっている「めちゃイケ」は、かなり感じが悪いという声も聞く。

その場のノリで彼を新メンバーにして、「自分はすごい、おもしろい人間だ」と勘違いさせてしまったとしたら、制作者サイドの罪は重いのではないか。

次週の生放送企画で、三中がメンバーで居続けられるかどうか決まるということである。恐らく「めちゃイケ」も、もう使いでのない三中を追い出したいのだろうが、芸人に向いていない三中には、自分自身が早くそのことに気付いた方がいいのも確かである。

とはいえ、三中の純朴さにつけ込み、彼の人生を5年間も翻弄した「めちゃイケ」は、三中を責められる立場にない。むしろ「めちゃイケ」の方が責められるべきなのだが、完全に開き直っているように見える。

どうせやるならトコトンまで開き直って笑いにつなげてほしいのだが、そういうこともせず、「三中が悪い、だらしない人間だ」という印象を視聴者に植え付けて自己を正当化しようとしている。

気持ち悪い。

芸人として人生を全うできるわけではなかろう三中の「その後の人生」にも良からぬ影響を及ぼすはずだ。

今回の放送では端折られ過ぎでよく分からなかった三中の「相方」や、彼と三中が出逢うまでの経緯は次週に「ドキュメンタリー」タッチで描かれるのだろう。この手の企画の常として、どこまで真実かは怪しいところがあるが、それは次週の放送を見てみないと分からない。

 

【あわせて読みたい】

The following two tabs change content below.
高橋維新(たかはし・いしん)弁護士、コラム二スト。1987年、東京生まれ。2006年、東京大学法学部入学。2010年より「マヒ郎」のペンネームでファミ通町内会へ「ハガキ職人」として投稿を始める。現役ハガキ職人を続けながら、2012年に司法試験合格。2013年、弁護士登録(函館弁護士会)。ファミ通町内会長(第5代)。