明石家さんま「バイキングは残してもいい」発言で盛り上がれることこそ問題?

エンタメ・芸能

メディアゴン編集部
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8月1日に放送されたフジテレビ「ホンマでっか!?TV」において、明石家さんまが、食べ放題の飲食店(いわゆる「バイキング」)を利用する際の「バイキングで食べ物は残してもいい」という持論に対して、ネットでは非難が集まっているという。

番組では、バイキングの飲食店で食事をとる時のマナーとして、「ひと口サイズで盛る派」と「一気にガッツリ盛る派」で討論。「ひと口サイズ派」の落語家・立川志らくが、自分の好みに合わせて、残さぬように少しずつ盛るべきという主張し、それに対して明石家さんまが「お金を払っているだから、残しても良い」と反論した。
瑣末な話題や身近などうでもいいことを、さも重大事のように議論・討論する・・・というのは、現在のバラエティ番組の常套手段である。これは別段、珍しいわけでもなく、好きい嫌いはさておき、純粋に「くだらないバラエティ」として楽しめるものだ。
しかし、視聴者がその「くだらないバラエティ」での議論(という名の演出)を真に受けて、SNSなどのネットの場で、本気になって明石家さんまを非難したり、立川志らくを支援したり、ムキになって賛否の議論している状況は異常だ。
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かつて(といっても数年前ぐらい)は「テレビでバラエティがくだらないことばかり放送して・・・」と、テレビのバラエティ番組自体をネタに批判したり、議論をすることが多かった。しかし、最近の状況を見ると、そんな「くだらないことばかり放送しているバラエティ」で展開しているコンテンツとしての「議論」に対して、本気になって参戦している視聴者が多いことに驚かされる。聞いてもいないのに(もちろん、求められてもいない)、積極的にオピニオンを発信してくれるSNSユーザーたちに「あなたはいったいドコの何様なの?」と聞きたくなる衝動にかられることは多い。
そして、その異常性、特殊性に対して「不感症」になっている人が多すぎるような気がしている。かつては、ネット掲示板やネットニュースへのコメント欄などで展開されていたネット民特有の風習が、SNSを通して一般化されているのだろう。しかし、冷静に考えれば、これが正常なメディア状況であるとは思えない。
今回の「ホンマでっか!?TV」における明石家さんまの「舌禍」も、やたらとネットニュースになっているが、実際の番組を見ればわかるように、そもそもニュースになるような話題ではない。
もちろん、そんなことばかり取り上げるネットメディアにも問題があるのかもしれないが、そういったことにしか反応できなくなっている現在の主要なテレビ視聴者層に、メディアリテラシー能力や「楽しむ能力」の急速な低下を感じる。また何よりも、その状況に不感症になっているような社会も問題だ。
 
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