沖縄県知事殿、天皇皇后両陛下に「辺野古の旅」のご招待を。

山口道宏[ジャーナリスト/星槎大学教授/日本ペンクラブ会員]

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慰霊の旅、被災地訪問など象徴天皇としての天皇皇后両陛下は実に精力的に全国を巡られた。多くの同胞が死んだ海外の旧戦地にも巡礼の旅を重ねてこられた。また地震、津波、原発の被災地への訪問では床に膝をつき被災者へ励ましのお言葉を掛けられていた。こうしたねぎらいは、国内外の行く先々で、対象者はもとより周囲の人々の心を癒し、感動を与えている。

なかでも、天皇皇后両陛下の、沖縄に寄り添う姿勢は特別だ。

先の大戦で本土防衛の捨て石となり凄惨な地上戦があった沖縄での死者は20万人で、うち県民の死者・行方不明者は12万人を超え、沖縄県民の4人に1人が死んだとされる。悲惨な事実とその後に至る苦難の歴史を知る陛下は、皇太子時代を含めると沖縄訪問はなんと11回に及ぶ。現地では花をたむけ手を合わせひたすら県民との交流に努めてこられた。また沖縄ではハンセン病療養所を訪ねると入所者の手をとりいたわりのお言葉を掛けている。

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天皇陛下にとって沖縄は気がかりの地だったに違いない。度重なる訪問も陛下ご自身の希望によったと伝えられる。今年2月に挙行された在位30周年式典では、その沖縄への思いを、陛下が作詞、皇后が作曲の琉歌「歌声の響」が披露された。

さて、天皇陛下は「ハゼ」の研究者として海外でも知られるばかりか、ひとと自然との触れあいを大切にされ、御所で田植えをはじめ農作業もされるときく。そこで「サンゴが死んだ」「ジュゴンが死んだ」という沖縄・辺野古の海をぜひ研究者の目でご覧いただきたいのだ。

世間でいえば4月いっぱいで「定年」を迎えられる天皇皇后両陛下だ。退位後はゆっくり自由な時間をお過ごしいただきたい。ついては、両陛下が葉山御用邸のある浜辺を散策されるように、お二人で沖縄・辺野古の浜を歩かれ、沖縄の海、沖縄のひと、沖縄の魚のことどもを語られては、と。

沖縄県の玉城デニー知事は、早々に天皇皇后両陛下へ「辺野古の旅」のご招待をされるといい。

 

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