<僧侶はテレビタレント>僧侶はかつて「会いに行けるアイドル」AKB48と同じ存在だった


高橋秀樹[放送作家]
2014年6月21日

平安の時代、僧侶は芸能人であった。

雅な貴婦人たちが寺参りを欠かさないのは、信仰心深き故のみならず、見目麗しく、眉目秀麗な若き僧侶に会いたいという理由があったからである。信者を増やすために寺側はイケメンの若者を選んで採用し、経典とその内容について厳しく仕込んだ。

家柄などももちろん大事である。普通の経のあげ方では、人は集まらない。寺側は工夫をし、経本をズンバラリと、払うようなしぐさ、まるで歌謡のような謳いあげる読み方、チラリと見せる流し目、流麗な装束などを積極的に取り入れた。 平安の夫人は、これらにこころ奪われ寺に日参したのである。

お布施さえ積めば、それも積めば積むほどこれら「会いに行ける僧侶」は、ファンにサービスしてくれたのである。 同じである。AKB48と。

江戸になって、歌舞伎などの芸能が流行してくると、しちめんどくさい寺参りは敬遠され 僧侶は芸能人としての地位を奪われ、葬式で糊口をしのぐ葬式仏教に堕してゆく。

これがなぜ、テレビと関係があるのか。衰えたとはいえ、今もまだ芸能人の最高位にいるのは、テレビタレントだからである。

僧侶は、現代、テレビタレントとなった。そういえば、よく芸能人の葬儀はテレビ中継されるではないか。僧侶とテレビタレントは関係が深いのである。

先日、母の葬儀をした。僕は、喪主である。

長男から「父ちゃんは、あいさつすると必ず笑いを入れようとするから、それは慎むように」 と言われたのだが駄目だった。

喪主挨拶 「今日はご住職様にありがたい戒名を付けていただきました。どの字にするか悩んでいられる様子なので、私が「法」という字を提案し、ご住職が採用してくださいました。一字は私が考えたので、戒名料1万円まけてください」

(爆笑)

「という話は、冗談なので住職には言わないでください」

(爆笑)

その場にいた住職、渋い顔。 住職は中学校の一年後輩だが、織田信長一族の菩提寺を守る格式高き寺の和尚でもある。

 

【あわせて読みたい】