<3人に1人が非正規雇用の現実>非正規を正規にしただけで「人手不足」は解消する


山口道広[ジャーナリスト]

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「仕事」があれば、多くの人はおそらく「そこ」に残った。

地方に過疎化を誘導した我が国の国策の歩みを検証すると事情は分かり易い。「人手不足」の解消をいう前に、労働者の安心安全雇用の確保こそ優先である。

7月末の厚労省調べによれば6月の有効求人倍率は1.10倍と19ケ月連続で改善といい、生産年齢人口で「人手不足」となっており、これでは日本経済の供給能力が縮むと政府は心配する。しかし、バブル期も「人手不足」の状態であった。そして気がつけばサービス残業、過労死、リストラ、雇い止め、ワーキングプアなど、そんな造語も海外に伝わる、ニッポンという国の「二重構造」。いつだって国のいう「人手不足」は疑わしい。

なにより非正規を正規にしただけで、「人手不足」は大きく解消する。

我が国は現在3人に1人が非正規雇用である。つくられた「人手不足」は、かつて農業や漁業など第一次産業を捨てた、我国の戦後産業政策の有り様をみれば、だれも理解ができるはず。「女性労働力への期待」も、そうしたご都合主義と気づくのに、時間はいらない。

ところで、国政を担う人たちこそ、余剰人員ではないのか。国会議員の定数削減は、いまだ「決まらない政治」のままである。野党、マスコミの指摘は、どこへ雨散霧消してしまったのか。

[メディアゴン・高橋のコメント]

日本は過労死するほど仕事があって、自殺するほど仕事がない。

 

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山口道宏

山口道宏(やまぐち・みちひろ) ジャーナリスト、星槎大学教授、NPO法人シニアテック研究所理事長