<だから若者は新聞も読まずテレビも見ない>40歳以上とそれ以下の世代にある情報取得方法の違いと価値観の断絶


齋藤祐子[文化施設勤務]

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いささか旧聞に属するが、文芸春秋の昨年2014年11月号に、ジャーナリスト・上杉隆の「だから若者は新聞を読まなくなった」が掲載された。いわゆるオールド・メディアの一角をしめる老舗の総合誌なので、新聞業界を含めた活字メディアのおじさま世代も多数目を通したものと推察される。大手新聞社の時評の欄にも紹介されたため筆者も目を通すこととなった。

内容は、各界で活躍する若手オピニオンリーダーともいうべき、30歳から40歳位の8人を取り上げ、「最近の新聞、どうですか」とインタビューしたもので、なかなか新鮮な内容だった。最後に、氏がニューヨークタイムズを辞めた直後に朝日新聞の幹部候補生を前に勉強会で語った内容に触れ、この意見を取り入れてくれていたら、例の朝日新聞の騒動ももう少し違ったものになっていたのではないかと述べ、若者が読まなくなった新聞の未来に警鐘を鳴らして結んでいる。

いまだに新聞を宅配で取り通勤途上の電車で目を通す筆者からしても、ここに書かれていることのいくつかは、なるほど今どきの若者はそうなのかと新鮮であると同時に、若者発の今すぐ取り入れてほしい真摯な意見もあった。

老眼なのでつらいが、電子版もチェックする身からすると、オールドメディアに期待するのは、きっちり取材された読み応えのあるルポルタージュや専門家の分析だ。市井の人たちの生の声を借りて、時評のように巷で起きている事態をあぶりだすシリーズなども心惹かれる。この記事の影響か、この頃の新聞には市井の人々の暮らしを通して提言をする記事が増えたようにも思える。若者にも迫力ある面白い記事が届くように、やれることをきっちりやって欲しい。

さてひるがえって、もう一つのマスコミたるテレビはどうか。若者に限らずかつてのような影響力をテレビはなくしているだろう、と漠然とは予想していても、誰もはっきりとは指摘してはいない、できないのではないか。

ここはひとつ、テレビ関係者の耳に届くように、若者がいかにテレビ離れを起こしているか、そしてその若者がどんな形でドラマや情報を取得するか、そんな中でテレビに期待するとしたらどんなことかを語らせる番組を企画してはどうだろう。

40歳以下と、それ以上の世代には明らかに情報の取得方法や価値観に断絶がある。メディア界の重鎮の方々に事態を把握していただくためにも、必要な一石ではないか。若者に届くメディアとして、これからのテレビには何が必要なのか。その議論の出発点になるような番組があったらぜひ視聴してみたい、とメディアゴンの主筆に対しての、これは提言なのだが。

 

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齋藤祐子

齋藤祐子(さいとう・ゆうこ) 1984年、筑波大学卒。現在、文化施設に勤務。文化政策や現代美術、落語等の分野に関心が深い。