<ネット小説がハリウッド映画化>映画「オデッセイ」が挑む宇宙帰還のアイデア

映画・舞台・音楽

高橋秀樹[日本放送作家協会・常務理事]
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「アポロ13」「インターステラー」「ゼログラビテイ」などなど。宇宙からの帰還の困難を描いた映画ならいくらもある。惑星上にたったひとりという設定も「月に囚われた男」という映画にある。
どれが好きかはそれぞれであるが、設定が同じであれば、やはり「アイデア勝負」が明暗を分ける。現在上映中の「オデッセイ」(監督リドリー・スコット/主演マット・デイモン)も、果敢に宇宙帰還モノの「アイデア勝負」に挑んでいる。
物語はこうだ。
人類3度目の火星探査ミッション「アレス3」は、火星上で猛烈な嵐に遭い離陸を余儀なくされる。そのとき、船外活動をしていたマーク(マット・デイモン)は、たったひとり火星に取り残されてしまう。次の火星探査船がやってくるのは4年後だ。マークはどうやって命をつなぐのか? 酸素は? 食料は? 水はどう生み出すのか?
それらの作り方を書いてある映画評があるが、これこそネタバレなので、書いてはいけない。このアイデア自体が本作の一番の見所かもしれない。さらに長い孤独と絶望の気持ちをマット・デイモンはどう演じるのか。それも見物であろう。
はたして火星に取り残されたマークは助かるのか? ・・・当然、助かる。これはハリウッド映画ということを考えれば当然であれば、これはちっともネタバレではないだろう。
ちなみに、この映画の原作はネット小説である。無料で公開したネット小説がハリウッド映画になる、というアメリカンドリームもこの映画の魅力かもしれない。
 
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